社会

差別に怒りの声をあげる女性たちが“まあまあ”となだめられてしまう日本の現状

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小川:「そりゃ怒って当たり前だよね」といってくれればいいのに。笑って受け流せとか、精神的にまったくよくないと思います。

石川:よくないのに、みんなそれが染みついちゃってません? 怒ってるとツイッターで「そんな怒んないで」「カッカしてないで」といわれることがあります。「カッカさせてよ!」って思いますよ(笑)。女性が怒ってると「生理だから」「更年期だから」などひどい扱いを受けますよね。「また感情的になってる」「ヒステリー」「女の子はイライラしてるとモテないよ」……黙らせようとしているんだなと感じます。

小川:暴言や失言を繰り返したり、号泣したり、逆ギレしたりする男性議員がいてもその人個人の資質ってことになるのに、女性議員の場合はヤフコメで「だから女はダメだ」って書かれますよね(笑)。

石川:同じように、女性の気持ちって尊重されないな、と感じることがよくあります。

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Thinstock/Photo by jacoblund/Photodisc

石川:性暴力に関しての発信をしていると「性的なことそのものが嫌いだ」と思われがちです。私は「性被害に遭ったのにセックスの話とかするの?」「矛盾してない?」といわれます。同じ性に関することでも“自分の意思でしたいことをする”と、“イヤなことをされたりさせられたりする”はまったく別のお話なのに。グラビアやヌードや映画での濡れ場など自分がやりたいものは今後もやりたいんですが、それを「#Metooのこと書いてるのに?」といわれてしまって、どういえば両者が矛盾していないとわかってもらえるんだろうって思うんです。

小川:性交渉と性暴力は別です。優実さんがやりたい性表現も全部、“性”がつくからと一緒にしてしまっている人たちがいますよね。自分から欲望の対象になりたがってるのに被害に遭ってごちゃごちゃいうなんてワガママだ、という人たち。

石川:そうなんです。性表現をしたいというと、「だったら被害にあっても仕方ない」といわれます。グラビアアイドルはSNSなどで日常的にセクハラや性暴力に遭っているので、もはや麻痺してしまって大丈夫なアイドルもいれば、ほんとはイヤだと思っているアイドルもいます。けど後者の人たちもファンに対しては強くいえない……そんなの、私からしたらファンとはいえないけど。被害のことを口にすると「そういう仕事してるんだから」と返ってくるから、口をつぐんでいるだけ。グラビアアイドルのそんな状況を、なんとか変えたいんです。

傷つけたら謝るという当たり前のこと

石川:レイプをセックスのひとつだと思ってしまう人たちがいるように、女性に性的欲望をぶつけることが性暴力という認識がないんでしょうね。水着を着ている女の子に性的な言葉をかけることもコミュニケーションのひとつ、という認識でしょうか。

小川:性的、というのを一度はずして考えるとわかりやすいと思います。たとえば、男性同士の会話でAくんがBくんを“コロッケ”というあだ名で呼んだとします。でもBくんは、コロッケとは呼ばれたくなかった。だったら、Aくんはもうコロッケって呼ばなければいいだけの話ですよね。優実さんにイヤなツイートしてくる人がいて、優実さん本人がそれをイヤだといったなら、いわれた人は「あ、そっか。イヤならやめよう」って思えばいいのに、そこで「イヤがるあなたがおかしいんだよ」といってくる。さっきの例だと、「コロッケって呼ばれるのがそんなにイヤって、おかしいよ」といったところで、それはA君が判断することではありません。「だって俺はコロッケって呼びたいって思ってるから!」「コロッケって、おいしいじゃん!」「なんでイヤがるの?」と押し付けることがどれだけ理不尽か理解できますよね。

石川:そうですよね。私は“いじり”とセクハラが似ていると思っています。お互いの関係性のなかで絶対に大丈夫なら、いじりって楽しくていいと思うんです。けれど関係性を誤るといじめになりますよね。漫才でも、相方の頭を強く叩く人がいるけど、その人がほかの人を叩いたらただの暴力。ちゃんとお互いが大丈夫だとわかり合っているところでしかやっちゃいけない。そして間違ってやったとき、相手に「イヤだ」といわれたらやめなきゃいけないですよね。

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