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アイドル自殺 恫喝LINEの内容でも「パワハラ一切ない」といえるのか

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大本萌景さんのブログより

大本萌景さんのブログより

 愛媛県松山市を拠点として農業をPRするアイドルグループ・愛の葉Girls(えのはガールズ)のリーダーを務めていた大本萌景(ほのか)さん(当時16)が今年3月に自殺した。この痛ましい死の背景には、所属芸能事務所・Hプロジェクトによる過重労働、学業よりも仕事優先の強制、LINEや口頭でのパワハラ、転学費用の貸付する約束を反故にしたことなどがあるとして、大本さんの遺族が10月12日、事務所におよそ9200万円の損害賠償を求め、松山地裁に提訴した。

 訴状などによると、大本さんは中学2年生だった2015年7月に愛の葉Girlsのオーディションに合格。松山市の芸能事務所・Hプロジェクトと契約してライブやイベントなどに出演し、今年1月にはリーダーに就任するが、今年3月21日に大本さんは自宅で自ら命を絶った。

 弁護団によると、土日をメインにライブや物販のイベント活動をしていたグループは早朝集合や深夜解散もあり長時間拘束も多く、拘束時間は平均で12時間超え。平日にも週3~4回レッスンが入っていたという。大本さんは2017年4月に通信制高校に進学しているが、この頃から平日の日中にもイベントが入り、また日曜の登校日であっても仕事優先で欠席を余儀なくされたという。

威圧的なLINEの文面「お前」「いらん」

 Hプロジェクトの佐々木貴浩代表取締役は、学業より仕事優先を強制した事実はなく、パワハラ行為の事実もなく、転学費用の貸付は大本さん自身が断ってきたと反論している。

 しかし、公開されている大本さんと事務所とのLINEにはこんなやり取りがあった。

大本さん:〈お疲れ様です。行きたいのはやまやまなのですが、前回も遠足でイベントを休んでいるので、学校に行きます。すみません。ご理解の方をよろしくお願いします〉

事務所:〈お前の感想はいらん。学校の判断と親御さんの判断の結果をそれぞれ教えろ〉〈何故学校がダメと結論したのか、親がダメと結論したのか、その理由だ〉〈その理由によって、今後事務所はお前の出演計画を考えなきゃならん。そこまで考えて物を言え〉

 事務所スタッフから大本さんへの文章はかなり高圧的で、“社会人の常識”を逸しているように見える。〈お前〉呼ばわりし、〈いらん〉〈教えろ〉〈言え〉など命令口調で恫喝することは、常識の範囲内の“仕事のやりとり”なのだろうか。このようなやり取りがあったにも関わらず、「パワハラは一切ない」といえるのだろうか?

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