3割近い人が家族や親戚から結婚のプレッシャーをかけられている
西加奈子は結婚したことで1番良かったことに、独身であることを強調して不快な思いをさせたり、お見合いや結婚を強要するような行為“マリッジハラスメント”が減ったことを挙げた。独身である筆者はそのことに非常に驚かされたが、この意見に共感した人は少なくないはずだ。
少し古いデータではあるが、婚活サイト「エキサイト婚活」が2012年に実施したアンケート調査によると、「お盆に帰省した際、家族や親族に『結婚まだ?』とプレッシャーをかけられた」と回答した男性は37.1%、女性は27.4%だった。男性の3人に1人以上、女性の4人に1人以上が、マリッジハラスメントに遭っているようだ。
結婚するかどうかはあくまで本人の自由であり、周囲がその件に触れるのは余計なお世話以外のなにものでもない。内閣府が発表した「2018年版少子化社会対策白書」によれば、30~34歳の男性は47.1%、女性は34.6%が未婚。35~39歳では、男性の35.0%、女性の23.9%が未婚となっている。結婚をしたくても様々な理由からできない人、諦めざるを得ない人もいるが、今や選択的に未婚でいることは決して珍しいことではない。
また、結婚が薔薇色の幸せのようなイメージで語られすぎていることも、若林や山里のように独身者が「今の自分には結婚はちょっと……」と躊躇する要因になっているだろう。ウェディング産業が結婚を幸せの象徴として扱うのは致し方ないとしても、西の言うように結婚は日常生活の延長であり、過剰に煽る風潮は見直したほうがいいのではないだろうか。
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