10月1日から始まったNHK朝の連続テレビ小説『まんぷく』の勢いがすさまじい。初回平均視聴率が23.8%を記録(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。これは、大好評だった前作の朝ドラ『半分、青い。』の最終回視聴率(23.5%)を超えただけでなく、朝ドラの初回視聴率としては今世紀最高記録であり、これ以上ない好発進となった。
ご存じのない方のためにおさらいをしておくと、『まんぷく』とは日清食品創業者の安藤百福氏とその妻・仁子氏をモデルにしたドラマであり、成功と失敗を繰り返しながら「チキンラーメン」や「カップヌードル」を発明した夫婦の半生を描いていく物語だ。
主演は安藤サクラ、32歳。俳優の奥田瑛二を父に持ち、母親はエッセイストの安藤和津というサラブレッドでありながら、夫はこれまた二世俳優の柄本佑。2017年に出産したため本来なら育児休暇を取ろうと思っていたところに、本作への出演依頼が届く。夫や両親の激励もあり、悩んだ末に出演を快諾。朝ドラ史上始まって以来の“ママさんヒロイン”となった。この異例すぎるヒロイン女優が毎朝繰り出す“怪演”に釘付けになる視聴者が続出。ドラマに詳しい某テレビ局関係者はこう話す。
「1938年の大阪を舞台にスタートしたこの物語で、安藤サクラが演じるのは18歳のヒロイン。これが、不思議と18歳に見えるんですよ。本来、朝ドラは実年齢が若い新進気鋭の女優がヒロインを務めることが大半なのですが、安藤はその逆。すでに映画女優としては一定の評価を得ている32歳で子持ちの彼女が、18歳の少女を初々しくかつ正確に演じている。これが、毎朝感動するほど素晴らしいんです。
また、『私はべっぴんじゃないから電話交換手に回された』というエピソードがあるのですが、べっぴんではない18歳という役どころを安藤がひょうひょうと演じ切っているのもまたすごい。朝ドラでは代々、“べっぴんな18歳ぐらい”の女優がヒロインを元気いっぱい飾ってきましたが、安藤は真逆のヒロインをいとも簡単に演じている。すでに『安藤サクラにしかできない作品』になってると、業界内でも大評判ですよ」
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