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安藤サクラの怪演が光る『まんぷく』大ヒットの秘訣とは?

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「NHKはやけくそになったのか?」などの罵詈雑言

 当初、朝ドラのヒロインに安藤サクラの名前が公式発表されたときは、誰もが耳を疑った。それは、安藤サクラというすでに仕上がりつつある女優が、従来の朝ドラのヒロイン像とあまりにもかけ離れた存在だったからだ。

 また、『まんぷく』の次回作『なつぞら』は記念すべき100作目に当たり、そのヒロインを広瀬すずが演じると立て続けに発表されたため、「安藤サクラの『まんぷく』は単なるつなぎか?」「NHKはやけくそになったのか?」などといった罵詈雑言も飛び交った。しかし、いざふたを開けてみるとこの大好評、そして高視聴率である。この成功の秘訣を、前出のテレビ局関係者はこう分析する。

「ひとつは、安藤が『まんぷく』のヒロインだと発表された後に、安藤が母親役を熱演した『万引き家族』がカンヌ国際映画祭で最高賞であるパルム・ドールを獲得したことです。カンヌの追い風に乗り、『万引き家族』は興行収入40億円を超え、中国でも大ヒット。産後間もない安藤が子どもにおっぱいをあげながら撮影を乗り切ったという作品で、全世界が彼女の芝居を認めた日本を代表する傑作となりました。この展開は安藤本人もNHK側もさすがに予期せぬことだったため、神風が吹いたといっても過言ではないでしょう」

 そして同関係者は、「もうひとつの成功の秘訣は、“ママさんヒロイン”にある」と続ける。

「今回の『まんぷく』は大阪制作のため、安藤はほぼ毎日大阪で撮影をしているのですが、必ず子連れで撮影現場に臨んでいるそうです。出演オファーを受けるかどうかで悩んでいた安藤に『育児に協力する』と約束したNHK側は、NHK大阪放送局内にキッズスペースを開設し、万全のサポートをしているとか。この機運が働き方改革をうたう現代の新たなヒロイン像にも直結し、子持ちの視聴者にも大評判。前作の『半分、青い。』は破天荒なヒロインをエキセントリックな脚本家・北川悦吏子が描ききって『斬新な朝ドラ像』を構築しましたが、今回の『まんぷく』のほうが実はヒロインも物語もよっぽど斬新。だから、評判がいいんでしょうね」

 すでに映画女優としては功成り名を遂げた感もある安藤サクラ。そんな日本を代表する映画女優が見せる、「新人の登竜門である朝ドラ」という土俵での“横綱相撲”は、これからもより視聴者の心をわしづかみにするに違いない。

【文/藤原三星(ロボティア編集部)】

 

【筆者】
藤原三星(ふじわら・さんせい)
ドラマ評論家・コメンテーター・脚本家・コピーライターなど、エンタメ業界に潜伏すること15年。独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を中心に量産中。

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