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東京商工リサーチの調査によると、深刻な人手不足を背景にした国内の企業倒産「人手不足倒産」の件数が過去最多のペースで増加しているという。今年1~9月の合計は299件に上り、10月中にも2017年の年間件数317件を上回ると見込んでいる。
総合人材サービスのマンパワーグループ株式会社は今年8月に人材不足に関する調査結果を公表しているが、それによると、日本の雇用主の89%が「人材確保が困難」と感じていると回答した。人手不足は世界的な問題ではあるが、それでもグローバル平均は日本の半分の45%。いかに、日本の人手不足が危機的状況なのかが伺える。
少子化の影響で新たな労働力は減少し、人口ボリュームが大きい団塊世代が次々と定年退職を迎えている。人手不足倒産は今後、今以上の勢いで増加するかもしれない。そうなれば、企業間での人材確保合戦は熾烈を極める。
エン・ジャパン株式会社がビジネスパーソンに「退職を考え始めたきっかけ」について聞くと、第1位は「給与が低かった」(39%)、第2位「やりがい・達成感を感じない」(36%)、第3位「企業の将来性に疑問を感じた」(35%)だった。やりがいや将来性も大切だが、やはり先立つものがなければ働き続けたいとは思わないようだ。人材を確保するためには、「給与」がキーポイントになってくると言えるだろう。
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