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『忘却のサチコ』高畑充希の食べ方がうまい!! いかにも美味しそうな「食べる演技」の素晴らしさ

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幸せを映し出す「食べる」という演技

 『忘却のサチコ』はグルメ・コメディーというだけあり、数々の美食をこれでもかと画面に繰り出してくる。肉汁が滴る牛肉、肉の脂で焼いた新鮮な野菜たち、きらきらと輝く白米。まさに飯テロだ。深夜にこの映像は破壊力が絶大である。牛肉をざらめと一緒に焼くシーンの美しさときたら……もう堪えがたい。ドラマを観ているほとんどの人が「すき焼き食べたい」欲に掻き立てられた夜だったのではないだろうか。

 サチコの食事シーンは、一言で表すならばパワフル!美味しさの表現がダイナミックかつ丁寧で、むしゃむしゃと豪快に食事する姿に自分まで満たされた気持ちになってしまう。「ただ食べてるだけじゃん」と思う人もいるかもしれないいが、それはまったく誤った認識である。

 美味しさを表現するということは、視聴者の目に料理がより美しく華やかに映るよう、細やかな気配りをしなければならない。自分の口元を汚さないことはおろか、口から食べ物をこぼすなど言語道断。最近ではSNSでの指摘事項が多いため、箸の使い方やマナーにも細心の注意が払われているようだ。

 失敗したら料理を一から作り直さなければならないこともあり、通常より手間も時間も倍かかる。そんな緊張感の中での「食べる」という演技は、俳優にとっては相当苦労が多いのではないだろうか。サチコを演じるにあたり高畑は、飯テロドラマの先輩・松重豊(孤独のグルメ主演)から「食べ方のコツ」を質問したが、その時は「絶対内緒」と言われ自己流で研究に励んだそうだ。

 女優業を含め雑誌のカバーも数多くこなす彼女にとって、「食べる」特訓は非常にリスクが高い。体重の調整は決して容易ではなかったはずだ。『忘却のサチコ』にかける女優魂を感じる。

 忙しかった1週間が終わり、ほっと気の緩む金曜の深夜。『忘却のサチコ』はあなたの疲れと痛みを忘却させ、ココロを元気で満たしてくれるはず。美食、仕事、恋とたくさんのスパイスが詰まったこのドラマ、深夜に押し寄せる食欲にだけ注意して楽しんでほしい。

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