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年金破綻の将来は確実。「つみたてNISA」「iDeCo」を利用した方がよいこれだけの理由

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Thinkstock/Photo by itasun

 将来の資産形成を促すための制度である「つみたてNISA(積立NISA)」と「iDeCo(イデコ)」。投資に興味がない人でも、メディアの記事などで一度は目にしたことがあるだろう。政府は20年以上も前から「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げて投資を促してきたが、笛吹けど踊らずで投資へのシフトはほとんど進んでいなかった。

 現時点においても、「つみたてNISA」と「iDeCo」が盛り上がっているとは言えないが、両制度には従来にはなかった破格のメリットがある。今後、労働者の賃金が著しく上昇する可能性は低く、公的年金だけで老後の生活を支えられないのはほぼ確実である。40代以下の人なら、どちらかの制度の利用について積極的に検討した方がよい。

制度としてはかなりの大盤振る舞い

 従来の制度と比較した場合、つみたてNISAとiDeCoにおける最大の特徴は非課税となる範囲の広さである。どちらも運用益は非課税だが、iDeCoの場合には、投資した金額も所得税や住民税から控除される仕組みになっている。税金をむしり取ることばかりの日本の税制を考えると、これは破格の措置であり、過去に例がない大盤振る舞いと言ってよい。すなわち、政府が国民の資産形成(逆に言えば年金が減るリスク)について、相当の危機感を持っていることの裏返しでもある。

 筆者は個人投資家としてそれなりの成功を収めており、今では数億円のポートフォリオを運用する立場だが、筆者の基本的な投資スタンスは長期投資である。

 説明するまでもないが、投資は原則としてリスクとリターンが比例する。これはほぼ絶対的な法則であり、誰もこの枠組みから逃れることはできない。時々「投資で儲けたいがリスクは取りたくない」というセリフを聞くことがあるが、こうした考え方が強い人は投資など行わず、銀行預金に専念した方がよい。

 リスクを取らずに高いリターンを得ることが原理的に不可能であるにもかかわらず、それを求めてしまう人は、表面上、高利回りをうたった悪質な金融商品に手を出しやすい(こうした金融商品は銀行などでも売られていたりするので注意が必要だ)。

 大幅な値上がりを期待するのであれば高いリスクを取るよりほかなく、当然のことながらそうした投資を行えば、資産を減らす確率も上昇する。

 個人投資家がこのジレンマを解消するためには、時間を味方につける以外に方法はない。筆者が長期投資を推奨するのは、こうした理由からである(リスクについてよく理解し、相応の覚悟を持っているならば、短期的、投機的な取引をしてもよいが、多くの人にはあまりお勧めはできない)。

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加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社などを経て独立。経済、金融、ビジネスなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。

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