
小川航基Instagramより
「サッカー選手にケガはつきもの」。大ケガをするたび常套句として使われる決まり文句だ。サッカー選手の選手生命に関わるケガのひとつに前十字(または後十字)靭帯の損傷・断裂がある。
診断されれば手術後、復帰まで一般的には半年から1年という時間が必要とされる。筆者もサッカー選手として大事な時期だった高校時代に左ひざの前十字靭帯断裂、半月板の損傷という大ケガをした一人だ。
未来のエースストライカー・小川航基選手を襲った大ケガ
ジュビロ磐田所属、小川航基(21歳)は将来を嘱望されている東京オリンピック世代の一人であり、世代別代表のエースとして結果を残してきたストライカーである。
彼は昨年5月に開催されたU-20ワールドカップメンバーに選出され、エースとして活躍を期待された。グループリーグ2試合目のウルグアイ戦、彼は地面に足を着いた際にひざをひねり、負傷交代となった。検査を受けた結果、左ひざ前十字靭帯損傷および外側半月板損傷と診断され、大会途中で無念の離脱を余儀なくされた。
この間まで当たり前に動いていた足は鉛のように重く、自分の身体の一部として到底受け入れることはできない。高校時代、筆者自身が手術後に最初に感じた身体の変化への素直な言葉だった。
U-20ワールドカップで負傷離脱した小川選手は、一足先に帰国した際SNSで心境を綴っていた。「ここで離脱というのは本当に本当に悔しいです。人生をかけたすごく大きな大会でした。一人一人握手したとき、本当は泣きそうでした。」(一部抜粋)
人生をかけた大会。この言葉に凝縮されているのは世界中が注目する年代別のワールドカップで、自分という存在を世界に知らしめたいという並々ならぬ決意と覚悟である。