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公立高校の受験から「性別欄」を廃止した福岡県のジェンダー配慮

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Thinkstock/Photo by gyro

 私たちは、人生においてあらゆる書類を書く必要に迫られる。役所の書類、病院のカルテ……パーソナルな情報を記入するものばかりだ。大多数の人々は、「面倒くさいな」と思いつつ、疑問を持つことなく従うだろう。けれどなかには、性別の選択を強制されることを苦痛に感じる人もいる。

 10月17日、福岡県教育委員会は、来年3月からの県立高校入試において、「入学願書」と「受験票」から性別の記入をなくすことを発表した。これまでは、氏名欄の隣に性別を記入する箇所を設けていたが、これを廃止する。

 福岡県教育委員会によると、「出願資格を確認するために、性別は必要のない情報」と判断したためという。

 この判断は、性自認に悩む生徒への配慮にもつながった。「入学願書」は生徒自身(もしくは親)が記入・提出するものなので、性自認に悩みを抱く生徒にとっては、自分の性別について強制的に選択させられるストレスを、回避できることになる。

 願書と一緒に高校側に提出する「調査書」には性別欄が残るが、こちらは中学校の教員が記入するため、生徒本人の目に触れることは基本的にはないという。男女別の出願状況や倍率の割り出しなど、統計的な観点で性別の情報が必要になった場合は、「調査書」から把握することが可能だ。

 2016年に「株式会社LGBT総合研究所」が行った調査によると、身体の性と心の性が一致しないトランスジェンダーに該当する人は0.47%という。しかし、カミングアウトしていない、または悩んでいる層を含めれば、この数字はさらに上がるだろう。

 福岡県教育委員会の判断は、高校入試におけるジェンダー問題への配慮として、もっとも妥当な取り組みとなった。県教委は、「結果的にジェンダー問題への配慮にもつながり、多くの問い合わせをいただいていることに驚いている」という。

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