沢田研二の公演ドタキャン、なぜ予想できなかったのか

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事前の動員予測はできなかったのか

 今年は沢田にとってデビュー50周年という節目の年だ。そのため、今回中止になった埼玉スーパーアリーナの公演を含め、「沢田研二 70YEARS LIVE OLD GUYS ROCK」と題した全66公演の大規模な全国ツアーを実施している。70歳にして、若いアーティストですらなかなかやらないほどの精力的なコンサートツアーを開催していることには驚く。

 このツアーで首都圏は、さいたまスーパーアリーナと横浜アリーナという大規模な会場を用意。また、年明けには日本武道館で3Days公演まで控えている。横浜アリーナは集客面の問題もなく開催できたが、その結果、今回のさいたまスーパーアリーナの集客が厳しい状況になったという見方もある。イベンター側は事前に動員予測をすることはできなかったのだろうか。

 客席が埋まらなければ、沢田がこのような判断を下すであろうことは、スタッフもわかっていただろう。そもそも沢田が“満足できるほど観客が集まらない”という理由で公演をキャンセルするのは、今回が初めてではない。2004年の茨城・水戸の県民文化センターで開催予定だった公演も同様の理由で中止にしている。

ファンであっても「嫌なら帰れ!」

 沢田研二のライブといえば、代表曲である、「勝手にしやがれ」「TOKIO」などの楽曲はほとんど歌わず、新曲が中心だという。東日本大震災以降は反原発ソングも多く作っており、公演のMCで長時間にわたり政治について自説を述べることもあるようだ。

 しかし、やはりファンは往年の名曲も聴きたいもの。そういった不満も募ってか、ある公演では沢田がMCをしている最中に、客席から「歌って~」という声が投げかけられることがあったというが、沢田はこの反応に激怒。「黙っとれ! 誰かの意見を聞きたいんじゃない。嫌なら帰れ!」と言い放ったといい、たとえファンにでも“言いたいことを言う”という姿勢は、ファンの間では有名だった。

 そのため今回の直前中止という判断も、沢田が「甘いけど、僕はお客さんを信じてる」と話したように、想定の範囲内として寛容なファンは少なくないのかもしれない。

 しかし、全てのファンが沢田の考えに賛同しているわけではなく、「楽しみにしてたのに……」と不満を呈する人も少なくない。なかには遠方から公演を観に来た人もおり、チケット代は返ってきたとしても、交通費や宿泊代は返ってこないのだから、怒るのも当然のことだろう。

 また、観客が少ないことが理由での公演中止は、興行保険が下る可能性はほぼなく、支払った経費は回収できないという報道もある。主催者側や沢田自身にとっても相当の打撃だろう。

 音楽を仕事として続けるためには、支えてくれるスタッフ、ファン、どちらの存在も必要不可欠だ。まだコンサートツアーは来年まで全国で続く。これ以上のトラブルなく、ジュリーには武道館3Daysまで完走してもらいたい。

(栞こ)

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