「消費税10%」の罠。まるでひっかけ問題のように複雑怪奇な軽減税率の仕組み

文=地蔵重樹
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軽減税率とは

 軽減税率とは、消費税を増税することで消費者の負担が大きくなり、生活が苦しくなったり消費が低迷してしまったりすることを防ぐために、食料品など一部の商品に対しては一定の条件で税率8%に据え置こうという制度だ。

 そこまで言うなら増税しなければよいのだが、増税ありきの議論をしているため、このようなことになっている。国税庁が公開している『よくわかる消費税軽減税率制度』という「よくわからない」パンフレットを確認してみよう。

 そこでは軽減税率の対象品について解説されている。まず軽減税率対象のメインとなる食料品の定義は以下のようになっている。

“飲食料品とは、食品表示法に規定する食品(酒類を除きます。)をいい、一定の一体資産を含みます。外食やケータリング等は、軽減税率の対象品目には含まれません。※ 食品表示法に規定する「食品」とは、全ての飲食物をいい、人の飲用又は食用に供されるものです。また、「食品」には、「医薬品」、「医薬部外品」及び「再生医療等製品」が除かれ、食品衛生法に規定する「添加物」が含まれます。”

 上記の文中に「一体資産」なる用語が使われているが、これについても解説されているので引用しておく。

“「一体資産」とは、おもちゃ付きのお菓子のように、食品と食品以外の資産があらかじめ一体となっている資産で、その一体となっている資産に係る価格のみが提示されているものをいいます。一体資産のうち、税抜価額が1万円以下であって、食品の価額の占める割合が2/3以上の場合、全体が軽減税率の対象となります(それ以外は全体が標準税率の対象となります。)。”

 つまり、お菓子におもちゃのおまけが付いている場合、おもちゃは食料品ではないが、面倒なので軽減税率にまとめてよいということだ。また、外食、テイクアウト、ケータリング、出前・宅配についても解説されているので引用する。

外食とは、

“飲食店営業等、食事の提供を行う事業者が、テーブル・椅子等の飲食に用いられる設備がある場所において、飲食料品を飲食させる役務の提供”

テイクアウトとは、

“飲食店業等が行うものであっても、テイクアウトは、単なる飲食料品の譲渡であり、軽減税率の対象※「外食」か「テイクアウト」かは、飲食料品を提供する時点で、顧客に意思確認を行うなどの方法で判定します。”

ケータリングとは、

“相手方が指定した場所において行う役務を伴う飲食料品の提供 ”

出前・宅配は、

“相手方が指定した場所において行う役務を伴う飲食料品の提供”

 そして今回、食料品ではないのに軽減税率の対象になっている新聞についての定義は以下の通りだ。

“軽減税率の対象となる新聞とは、一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載する週2回以上発行されるもので、定期購読契約に基づくものです。”

 以上、公式見解を確認したところで、補足をしてみる。

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