違う道を歩む三越と高島屋。どちらに軍配が上がるか
日本橋は、かつては「三越」と「高島屋」の両雄が並び立つ百貨店の街だったが、近年、再開発が進み、三井不動産の商業施設「コレド日本橋」や「コレド室町」も登場、今回の新館開業も加わり、街の表情も変貌した。来街者やオフィスワーカーにとっては、新たな魅力として映っており、来街者も若返りを見せている。
高島屋のSC化という新たな展開に対して、迎え撃つ「三越日本橋本店」は、今春から改装を進めて、10月24日、第1期のグランドオープンを迎えた。
「日本一のおもてなし」をめざし、専門知識に詳しく経験豊富な総勢90名の「コンシェルジュ」を、各フロアに「パーソナルショッピングデスク」を設けて常駐させ、客の要望や相談に応じる体制を整える。また、ガイドが案内する本館1階の「レセプション」も新たに設け、110名のガイドが店内も巡回し対応する。
顧客はコンシェルジュを来店前に予約することも可能で、コンシェルジュは携行する端末を通じて、購買履歴など顧客の情報を共有し、より詳しいコンシェルジュに引き継ぎも行う。こうして顧客一人ひとりに向き合い手厚い接客サービスを行うことで、20年度には50億円の売上増を見込んでいる。
三越はあくまでも接客という百貨店ならではのサービスを強化し、百貨店として生き残りを図る。高島屋はSC機能を高めて、百貨店はそのなかの一つと位置付け、今後の展開いかんでは、将来的に本館は百貨店ではなくなる可能性もあり、対照的な取り組みだ。