岐路に立つ百貨店事業
昭和の良き時代は庶民にとって、百貨店は休日に家族揃って出かけ、ささやかなショッピングを楽しみ、屋上の遊園地で遊び、食堂でごちそうを食べる行楽スポットだった。
そして1980年後半からのバブル期は、スーパーブランドや高額商品の売れ行きが絶好調で、91年には9兆円に達した。しかし、バブル崩壊後は売上が減り続け、現在は約6兆円と3分の2まで縮小している。
近年は、中国を中心としたアジアからのインバウンド客で活況を見せたが、それも一段落、市場が上向くまでには至っていない。若い世代を中心に百貨店の客離れは依然として続いており、顧客の高齢化も進んでいる。
「アマゾン」、「楽天」、「ゾゾタウン」などEコマースの攻勢が激しさを増すなかで、利便性で優位に立つネットに対抗し、生活者にとって魅力的な施設として、百貨店が再び見直される日は来るのだろうか。
百貨店の次世代イノベーションとも言える、日本橋での新たな取り組みの成否が注目される。あなたは百貨店に行きますか、それとも?