ライフ

ネットの子育て情報への信頼性は薄い? 保護者として取捨選択を

【この記事のキーワード】
ネットの子育て情報への信頼性は薄い? 保護者として取捨選択をの画像1

Thinkstock/Photo by miya227

 株式会社ベビーカレンダーは1017日、子持ちの男女907人を対象に実施した「子育てに関する意識調査」を発表した。「妊娠・出産・0歳児の子育てに関する情報をどこから得ているか」を聞くと、「友人、知人」(82.1%)が最多。ただ、「妊娠・出産・子育て関連情報サイト」(65.6%)、「妊娠・出産・子育て関連アプリ」(63.7%)、「SNSFacebookTwitterInstagram等)」(47.2%)と、ネットを頼りにしている人も多くいることがわかった。

 しかし、「一番信頼している情報収集先はどれか」という設問には、「医師、助産師、看護師などの専門家」(31.5%)が最も多く、「妊娠・出産・子育て関連情報サイト」(13.2%)、「妊娠・出産・子育て関連アプリ」(7.6%)、「SNSFacebookTwitterInstagram等)」(2.8%)と、ネット上の子育て情報にはあまり信頼を寄せていないようだ。

 玉石混交の記事やクチコミが溢れていることを認識している人は多いことがわかる。しかし一方で、信憑性の低い情報であっても実行してしまう人もいる。先日、子供の発熱時に、キャベツの葉を頭にかぶせると熱が下るというヨーロッパの民間療法「キャベツ枕」が、ネット上で大きな話題になった。

 キャベツ枕は、某育児情報サイト内の記事で紹介されたもので、実際に子供にキャベツ枕を施した写真を投稿する保護者がSNS上で散見された。この記事を読んで、どれだけの人が「キャベツ枕を試そう」と思い立ったのかは不明だが、ネットで紹介された根拠が曖昧な民間療法を信じてしまう人はゼロではないのだ。

  小児科医の森戸やすみ氏は、「BuzzFeed」の『「キャベツ枕」「キャベツ帽子」で熱が下がる?』という記事で、キャベツ枕の効用を否定している。

ネットの情報を求めてしまう一因に「孤育て」がある?

 しかし自分でエビデンスを確かめることの出来る保護者がどれだけいるだろう。また、専門家の意見を知りたくとも、気軽に質問できるような間柄ではなかったり、ネットで正確なページにたどりつけなかったり、難しい専門用語のページしか見つけられず理解できなかったりもするだろう。

 どこかの「ママ」がすすめているから自分もやってみよう、というのは短絡的だが、そうした状態に陥る保護者(多くの場合、母親とされるが)をただ責めても状況は変わらない。そもそも彼女たちは育児の悩みや気がかりを、気軽に誰かに相談できる環境ではない可能性もある。

  三菱UFJリサーチ&コンサルティングが発表した「2014年度子育て支援策等に関する調査結果のお知らせ」では、「地域内に子育ての悩みを相談できる人がいる」と答えた男性は11.0%。女性は43.8%と男性よりも高いが、半数未満にとどまる。2002年の調査でも同様の質問がされており、その時は男性は19.0%、女性は73.8%だったことから、比較すると「孤育て化」が加速していることがうかがえる。

 ネットは見知らぬ他人の存在を身近にする便利な側面があるが、一方で地域での孤立を解決する手立てにはならない。

「孤育て」を無くす自治体の取り組み

 この「孤育て」を解消すべく地域のつながりを促す動きは、様々な自治体で見られている。大阪府富田林市のNPO法人「ふらっとスペース金剛」では、古い民家を借りて、子育てに悩む母親がスタッフに気軽に相談できる場を設けた。子供を遊ばせるスペースもあり、気兼ねなく利用することができる。

 奈良県奈良市は、子育て世帯を地域内で孤立させないための取り組み「エンゼルサポート事業」を今月からスタートした。この事業は、ホームヘルパーを自宅に派遣し、家事や育児のサポートしたり、子育ての悩み相談を聞いたりなどをして、孤立感や不安感を解消することが狙いだという。また、経済的に困窮している家庭は、無料でサービスが受けられるため、世帯収入に関係なく利用しやすいのが魅力だ。

 もちろんネットの情報には、根拠が明らかで適切なものも存在し、検索エンジンもそうした情報が上位に表示されるよう常に改良を続けている。編集者や校閲のチェックを経たであろう書籍や雑誌だからといって、必ずしも信用できるわけではない。

 しかし「情報」を得たときに、「こういった情報があったんだけど、どうなんだろう?」と気軽に相談できる人が近くにいるかどうかは重要なことかもしれない。他方で、近しい間柄の人からもたらされる不適切な情報に振り回されることもないとは言えないが……。最終的に選択するのは自分自身。チャンネルは多く持ち、自ら情報を取捨選択する力を持ちたいものだ。

宮西瀬名

フリーライターです。ジェンダーや働き方、育児などの記事を主に執筆しています。
“共感”ではなく“納得”につながるような記事の執筆を目指し、精進の毎日です…。

twitter:@miyanishi_sena

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。