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アップフロントから乃木坂46・欅坂46への挑発か!? 現役女子大生新グループ「カレッジ・コスモス」に込められた“メッセージ”

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現役女子大生25名で結成された「カレッジ・コスモス」公式サイトより

 モーニング娘。’18、アンジュルム、Juice=Juiceなどのアイドルグループを擁するハロー!プロジェクト(以下、ハロプロ)。今年はユニット誕生20周年ということで、ハロプロ全体のコンサートにOGが多数ゲスト出演するなどといった特別な催しも多いが、そんななか少々珍しいプロジェクトが動き出した。

 そのプロジェクトとは、ハロプロが所属する芸能プロ・アップフロントグループと、同プロと同じ大手芸能プロ・スペースクラフトグループの共同プロジェクトである現役女子大生アイドルグループ「カレッジ・コスモス」だ。この「カレッジ・コスモス」はハロプロ内のグループではないが、ハロプロの正規メンバーであるカントリー・ガールズの山木梨沙がフロントメンバーとして参加。山木はカントリー・ガールズとカレッジ・コスモスの兼任という形で活動をしていくこととなる。

 山木を含む現役女子大生25人からなるカレッジ・コスモスだが、来春のCDデビューが決まっており、収録曲の「言葉の水を濾過したい」が先行配信されている。そのミュージックビデオでは、真っ白い制服風の清楚な衣装を身にまとったメンバーたちが、自然の中で歌っているわけだが、その様子が、何かに似ている……。そう、何を隠そう乃木坂46だ。楽曲のテイストも、ユニゾンで歌うパートが多い点もまた、乃木坂46に近いものが感じられる。

乃木坂46・欅坂46の“領域”を侵食してみせるモーニング娘。

 この“乃木坂46ライクなテイスト”は、ハロプロではあまりなかった要素だ。サウンドメイカー・つんく♂の作風をベースに置くハロプロは、つんく♂が総合プロデューサーから退いた現在でも少なからず“アクの強さ”がにじみ出ており、乃木坂46のような“ポピュラリティーにあふれた爽やかさ”とは必ずしもシンクロするものではない。

 もちろん、カレッジ・コスモスはあくまでもハロプロ外のユニットであり、この大前提があるからこそ、“乃木坂46ライクなテイスト”という、基本的にハロプロではあり得ないアプローチに至ったのであろうことも想像はできる。とはいえ、ハロプロを手掛けているアップフロントが、どうしてこの“乃木坂46ライクなテイスト”に手を出したのか……。その点になんとも言えない違和感を抱かざるを得ないのだ。

 カレッジ・コスモスのメンバーは、主要大学のミスコンテスト参加者が中心となっており、芸能活動をしているメンバーこそいるが、カントリー・ガールズの山木以外はアイドルとしては素人同然だ。しかし、そんなメンバーたちでも、乃木坂46のような衣装を着て、乃木坂46テイストな楽曲をユニゾンで歌えば、乃木坂46のように見えてくるのである。もちろん、それで売れるかどうかはまた別の話だが、“乃木坂46のようなもの”をつくることはそう難しいことではないともいえるはず。もしかしたらアップフロントは、この事実をアピールしているのではないか──思わずそんな邪推をしたくなるのが、先に述べた「言葉の水を濾過したい」という楽曲なのだ。

 仮に「乃木坂46ライクなアイドルを作つくるのは簡単なことだ」というメッセージがカレッジ・コスモスに込められているとすれば、アップフロントはなかなか挑発的な行為に及んでいることとなるだろう。もちろんこれは筆者の勝手な妄想でしかないが、ここ最近のハロプロの作品には、そういった乃木坂46的なものへの“挑発”ともとらえられる要素がいくつか散見されるのだ。

 たとえば、10月24日に発売されたモーニング娘。’18の両A面シングル「フラリ銀座/自由な国だから「に収録されている、「自由な国だから」という楽曲のミュージックビデオ。ここでメンバーたちは、黄土色のジャケットにワイシャツ、ネクタイ、チェックのスカートという、学校の制服をモチーフにした衣装を着ている。ここ最近のモーニング娘。では制服のような衣装を着ることはほとんどなく、何かのメッセージなのではないか……などと勘ぐりたくなってしまうのである。

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モーニング娘。’18通算66枚目のシングル「フラリ銀座/自由な国だから」(アップフロントワークス)初回生産限定盤Bのジャケット

 そして、複雑に隊列を変化させながら踊る“フォーメーションダンス”を披露する制服を着たモーニング娘。のメンバーたち。メンバー全員でひとつの形を表現する“フォーメーションダンス”は、2012年以降のモーニング娘。の大きな特徴ではあるが、最近では多くのアイドルグループが同様の手法を取り入れている。それこそ“前衛的”ともいわれることの多い欅坂46のダンスもまた、“フォーメーションダンス”の影響下にあるともいえるはず。そして、「制服を着て踊る」というスタイルはまさに坂道シリーズの要素であるということを考えると、「どうしてわざわざモーニング娘。が欅坂46の領域に足を踏み入れたのか?」ということを考えずにはいられないのだ。あえて坂道シリーズに近い表現をすることで、モーニング娘。’18は何を見せようとしたのか。あえて比較しやすい活動をしてみせることで、何をアピールしようとしたのか──。

坂道グループとの相対的なレベルの差を見せつける

 ハロプロは、歌やダンスのクオリティーについては、アイドル界でも特にレベルが高いといわれている。本人たちやアップフロント自体も、クオリティーに対するこだわりがあるに違いない。ミュージックビデオでももちろん、パフォーマンスのレベルの高さを見せつけたいはずであり、その意味ではダンスが映える衣装を着るべきで、制服は必ずしも適切ではないかもしれない。

 しかし、坂道グループのような衣装=制服を着て踊ることで、モーニング娘。’18と坂道グループとの違いがよりわかりやすく浮き彫りになってくるのも事実。相対的なレベルの差を見せつけるという意味では、制服という衣装も有効な作戦なのだ。これがアップフロントのもくろみであったかどうかは定かではないが、結果的にモーニング娘。’18が「自由な国だから」で制服を着たことが結果として、人気やセールスではいまはアイドル界のトップをひた走る坂道シリーズに対する“挑発”となっているといえるのではなかろうか。

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