
写真:AFP/アフロ
シリアでイスラム過激派組織に拘束され、3年4カ月にわたり自由を奪われていた安田純平氏が釈放され、10月25日に帰国した。
安田純平氏が無事に帰国できたのは本当に嬉しい知らせであり、そこに疑問を差し挟むようなことはないように思えるが、しかし、日本の世論は彼の無事を喜ぶ声ばかりで溢れているわけではないようだ。
むしろ、ネットを中心に、安田純平氏の「自己責任」を問う声が飛び交うという、暗澹たる状況となっている。
高須クリニックの高須克弥院長は、ツイッターでこのように意見を述べた。
<この人には敬意ははらえません。
兵士ではない。兵士ならば敵に媚びる捕虜だ。
出でくるときは定番の作法を守ってほしい。
まず「恥ずかしながら・・・」と謝りなさい>
また、タレントのJOYも同じくツイッターで<安田純平さんが解放。この人に批判が集まるのは過去の発言や態度からすると仕方ないのかな。拘束も何度もされてますし。日本政府じゃないにしても、テロリストに身代金が払われてるわけで、結果的にそれが彼らの支援金になる。命が助かったのは本当によかったけど、そのお金が脅威も生みますね>といった文章を投稿している。
これらの意見に賛同するコメントも多く、人質となっていた安田純平氏が無事に帰ってきたことに対する非難の声は大きい。
ダルビッシュ有選手による「自己責任」への反論
そんななか、シカゴ・カブスのダルビッシュ有選手は違った。彼はツイッターを通じて、「自己責任」で安田純平氏を責める人々を諌めたのだ。
<一人の命が助かったのだから、自分は本当に良かったなぁと思います。
自己責任なんて身の回りに溢れているわけで、あなたが文句をいう時もそれは無力さからくる自己責任でしょう。皆、無力さと常に対峙しながら生きるわけで。人類助け合って生きればいいと思います>
これに対し、「自己責任」論を振りかざすフォロワーから<政府を無視し、リスクを冒して無責任な行動を取った故にあんなことになってしまったので「自業自得」ではないのでしょうか>や<テロ組織に多額の金が渡り、より多くの人の命が危険に晒される事態になってしまった事を考えると、彼の軽率な行動は本当に反省しなければならないと思います>といったリプライが大量に押し寄せた。
では、安田純平氏が行ったことは無謀なことで、国際社会に新たな脅威をもたらしかねない愚行だったのか? いや、それは断じて違うだろう。