BTS(防弾少年団)が独走、Wanna Oneが追随!? 韓国芸能界に「AI活用」の荒波が到来中

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AIから「よりよく評価される」能力の重要性

 ビッグデータを使った解析がより一般的になれば、ファンにとってもメリットが大きい。なぜならば、タレントはより高い評価を受けるために、コンテンツの質や、SNSやメディアにおけるファンとのコミュニケーション量を高めなければならないからだ。つまり、タレントとファンの接点が増える。一方、ブランド力解析には言語解析(ポジティブな言葉やネガティブな言葉を分ける技術)を通じたスコア化も用いられているので、ファンが応援する言葉やコミュニティーの強さが、タレントの地位向上に直接反映されることにもなる。握手券や金銭だけでなく「好き」という純粋な気持ちが、タレントを育てることにつながるのだ。

 もちろん、評価する側(ここでは、韓国企業評判研究所やAAAの運営サイド)が、偏った方法でビッグデータを解析していたら、また新たな“恣意性”が生じることになるだろう。しかし、これまでの韓国芸能界の悪習に比べれば、それでもいくばくかはましなはずである。

 なお、ビッグデータ解析がタレント格付けの主流となってくれば、タレント側にとってみれば、ビッグデータや人工知能から“よりよく評価される”能力というのも、才能のひとつとなってくるかもしれない。これは、「機械を説得する力」とも呼ばれるものだが、芸能に限らずすべての職種で必要となる能力だとされている。

 テクノロジーが発展すれば「人々が仕事を失う」との話題もあるが、おそらく一部、コネやゴリ押しで成功している芸能人やタレントも職を失っていくはずである。逆に、テクノロジーの全体像を理解し、ファンと関係性をうまく築いたタレントほど成功する可能性が高まるはずである。

 芸能界の在り方が、テクノロジーによって劇的に変化するような時代の到来は、確かにまだまだ先かもしれない。けれども、韓国芸能界のトレンドを見ている限り、決して、そこまで遠い未来ではないような気もするのである。

【文/河 鐘基(ロボティア編集部)】

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