80年代アイドルがライブ活動を再開させる裏事情
実は、「お神セブン」に限らず、近年、音楽ライブ活動を再開させた昭和のアイドルが増えている。
松本伊代、早見優、浅香唯(48)らは、「アイドル気分」なる、ウェブを通じた一種の“合同ファンクラブ”の会員を優待したジョイントライブを行っている。
事務所とレコード会社のトラブルに巻き込まれ、短期間での解散を余儀なくされたセイントフォーも、2018年に入って、岩間沙織(54)、浜田範子(53)、鈴木幸恵(52)の3名で本格的に再結成、小規模ながらライブハウスでライブを行っている。この12月29日には、吉祥寺で「セイントフォー年忘れLIVE2018」を開催予定だ。
おニャン子クラブ、およびニャンギラスのメンバーながら、卒業後は芸能活動を行っていなかった会員番号15番の立見里歌(52/現在は芸能活動中)、会員番号22番の白石麻子(49)は、2017年から何度かライブを行っている。またこの2名は、Twitterでのファンとの交流も盛んだ。
「お神セブン」のライブ会場はキャパ380と中規模だが、ほかの“復帰アイドル”についてはもっと小さなライブハウスが主体であり、その分ステージとの距離は近く、内容的にも“ファン参加型”の色合いが強い。いってみれば今は、“昭和のアイドルに会いに行ける”時代なのだ。
いったいこの現象には、どんな背景があるのだろうか?
「インターネット、特にブログやSNSの普及が大きいですね。元アイドル本人やその関係者が、ウェブを通じ、今でも熱心なファンが存在することを知ったわけです。すると今度は、本人の側も『もう一度ファンの前で歌いたい』『ファンとコミュニュケーションを図りたい』と考えるように。となると関係者は、ビジネスに結びつけたいと動くのは当然の流れでしょう。
現在は彼女たちのアイドル時代と違い、不特定多数の人が読む新聞にわざわざコンサートの広告を出す必要などありません。ウェブを通じて、コストをかけず、確実にファンに情報を届けることができる時代です。こうして、50歳を超えた元アイドルでも、小規模ならばライブやファンイベントを開催することができる環境が整ったわけです」(スポーツ新聞記者)
さらに、Twitterなどを舞台に同好の士との交流が進み、ファン側も往時のアイドル熱が再燃しやすい状況に。そこへ、元アイドル本人がブログを始めたりSNSに降臨したりすることで、徐々にライブ開催への機運が高まる──といった流れが、典型的なパターンのようだ。