お金をかけるよりも子供と一緒にいる時間を、といっても…
現状、早期教育を施すことが、子供の将来のためになると考えている親は多い。ソニー生命保険株式会社が発表した「子どもの教育資金に関する調査2018」によれば、「早期の知育や英才教育は子どもの将来のために重要だ」という設問では、「非常にあてはまる」(16.8%)、「ややあてはまる」(52.6%)と、約7割が「あてはまる」と回答した。
ただ、「あてはまる」と回答した親の中には、生活費を削ってまでも早期教育に費やしている人もいるかもしれない。明治安田生命保険相互会社の「子育てに関するアンケート調査」によれば、「子供の習い事やお稽古ごと」に経済的負担を感じている世帯は4割にも上った。早期教育のために、ギリギリの生活を余儀なくされている家庭もあるのではないだろうか。
しかしお金をかければかけたぶんだけ、成果が出るとは限らない。高橋孝雄氏は<先取りの早期教育に時間をかけるぐらいなら、子どもには机上では味わえない体験をたくさんしてほしいと思いませんか>と綴り、親子で自然体験を共有することなどを勧めている。
といっても、子供と共に過ごす時間を捻出することが難しいのだ、というジレンマを持つ親もいるだろう。そのことに罪悪感を持ち、金銭的な投資に頼るケースもあるのではないか。
子供が子供である期間はそう長くもない。その短い期間に様々なお稽古ごとで学ばせるにしろ、そうでないにしろ、二度と訪れないその時間に後悔することのないよう、周囲に流されずに自ら検討し選択する力が親には必要だ。
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