ちゃんと「離婚」できてる? 協議離婚に付随する問題点

【この記事のキーワード】

女性に親権が渡りやすいのは日本の働き方が問題

 また、離婚すると7:1の割合で女性に子供の親権が渡る理由について、南和行氏は「日本の男女の働き方の格差が反映されていると思う」と推測。「男性のほうが夜遅くまで働いていて、もともと子供と接する時間が少ないですし、育児を担っている部分が少ない。子供を引き取る未来像が描けない」。そもそも男性は仕事の都合上、子供と関わることが少ないため、親権が渡りにくいということだ。

 さらに、「女性側のほうが、子供を連れて出ていく場合が多いですし、出ていきやすい。そうなると、離婚の話し合いや調停をしている最中でも、ずっとお母さんと2人だけで暮らしてるのが積み重なるので……」と、離婚を進めている最中も母親と子供が一緒にいるケースが多いため、そこから子供を引き剥がして「父親と一緒に暮らそう」とするのは難しいという。裁判に発展した場合でも、子供にとっての現状維持=母と暮らすことが推奨されてきた。

 木村草太氏も「『4時に子供が熱を出しました。保育園に迎えに来てください』って言われて、迎えにいけるお父さんがどれくらいいるか」と話す。男性が長く働くことを前提としている会社が多い、社会構造上の問題があるといえる。

 今回の放送で、離婚をめぐる様々な問題点が浮き彫りになった。経済的な理由から離婚したくても離婚できない女性や、妻と別れたいけど子供の親権を取られることを恐れて離婚を切り出せない男性は少なくないと考えられるが、前向きに離婚を協議できるよう、こうした議論の活発化は重要だろう。

1 2 3 4

「ちゃんと「離婚」できてる? 協議離婚に付随する問題点」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。