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『けもなれ』視聴率が大幅ダウン リアル追求の丁寧さがかえってストレスなのか

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『獣になれない私たち』公式Instagramより

 新垣結衣(30)と松田龍平(35)のダブル主演ドラマ『獣になれない私たち(以下、けもなれ)』(日本テレビ系)の第4話が10月31日に放送された。本来であれば22時スタートだが、野球日本シリーズが延長となったため、23時15分からのスタートとなった。

 その影響か、平均視聴率は、前回から大幅ダウンの6.7パーセント(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。スタート時間が遅れたため、視聴を断念して就寝した人も多かったことが予想される。しかし、視聴率の低下は単純に野球の影響だけだったのだろうか。

 毎週金曜22時スタートの戸田恵梨香(30)主演のドラマ『大恋愛』(TBS系)の第2話(10月19日放送)も、世界バレー延長の影響で22時55分からのスタートだった。それでも視聴率は初回とほぼ変わらない10.6%を記録。3話も10.6%で、安定的に数字を伸ばしている。

 もちろん水曜と金曜では夜深い時間の過ごし方も異なる人が多いだろう。しかし、『けもなれ』は初回以降、じわじわと数字を下げ続けている。

遅々として進まない展開は製作側の意図

 ネット上の視聴者の感想を見てみると、「何も進展しない」「登場人物全員に微妙にイラッとする」といった批判的なコメントが少なくない。しかし、この進まない展開やリアルな人間描写は、製作側の意図でもあるはずだ。

 『けもなれ』のプロデューサー松本京子氏は、今月1日公開の「MANTANWEB」のインタビューで、「もしかしたら、視聴者の皆さんが思う一歩は“一足飛び”の一歩なのかもしれないです」と答えながらも、「人生には3歩進んで2歩下がることもある。うまくいったり、いかなかったり、その一歩一歩がこだわりであり、リアルじゃないかと考えています」と、『けもなれ』はなかなか前に進まない“リアル”を追求したドラマであると語っている。

 確かに『けもなれ』は、進んだかと思えば、元に戻ってしまう。たとえば第一話の終わりで、晶(新垣結衣)が自身の勤める会社のワンマン社長に抗議したと思えば、結局昇格させられただけで、ブラックな勤務待遇に変わりはないまま。1歩踏み出したことは事実なのに、前進していないような気がしてしまう。

 また、晶の彼氏である京谷(田中圭)の家に失業中の元カノ朱里(黒木華)が居候している問題も、話し合いを重ねても袋小路。仕事を探す気もない元カノを京谷は強く追い出すことができず、晶は京谷の気持ちを察し我慢をしている。全く前に進まない状態が3話まで続いていた。まさしく“3歩進んで2歩下がる”だ。

 晶の強く言えない性格には共感する部分も多いが、八方美人がいつまでも続くと少々イラッとさせられる場面もある。また、いつまでも元彼に甘えている無職の朱里には「早く仕事を探せ!」と言いたくもなるが、職場で上手くいかなかった過去には同情する部分もある。登場人物を善と悪で白黒はっきりつけることも難しく、そこもリアルな人間関係だ。しかしこういった部分にストレスを感じ、脱落する視聴者が多いのが現状なのだろう。

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