「性交も体外受精もなく妊娠出産した!」と語る女性を全肯定する医師の仰天説法

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 世界の価値観的にどんなにひどいことでも、子どもが自分で決めてやってきたこと! なる主張を貫くなら、子どもを誘拐監禁して産ませて売る「赤ちゃん工場」で子どもが生まれる理由にも、ぜひ言及してほしいものです。お約束の「お母さんの魂を成長させるため」とか言いそうですが。

 魂は転生し、人は生まれる前に自分の目的を決めて、親を選んで生まれてくるーー胎内記憶で語られる定番トークですが、これはもちろんオリジナルではなく、昔から手を変え品を変え、さまざまな形で語られてきたポピュラーな心霊哲学でしょう。

ニューエイジとの合体

 たとえば超有名なスピリチュアルカウンセラーの江原啓之も『人はなぜ生まれ いかに生きるのか』(ハート出版)でこうあらわしています。

「私たちは霊界から魂を分けて、自らの目的を果たすため一番ふさわしい親を選び、国を選び、時代を選んで生まれてきました」
「私たちはこの現代を、魂の修行の場として選んで生まれてきました。私たちは地球を変えようという志を持って生まれてきたのです」
「魂の目的は、千人いれば千の目的がある。それぞれの目的を達成することで、真の幸福は何かと学ぶ」

 池川氏はこのスピリチュアルリズムの基本概念に産婦人科医としての特徴を出し、「胎内記憶」の設定を作ったのかもしれません。

 また同書では、咲弥氏をはじめ、多くの子どもたちが「生まれる前は宇宙で別の生命体だった記憶を持つ」という設定でも大盛り上がり。宇宙という世界で考えると、現在の生殖医学で考えられないことが起きている。もうちょっと宇宙感覚でものを見るべき! 子どもたちは危機感を持って宇宙意識を言い始めているetc. はいこれって、ニューエイジから広まった「スターピープル」そのまんまですよね。 地球外生命体にルーツを持つ人間がいるというやつ。

 スピリチュアルが霊界の深淵を覗かんとする世界であるのに対し、ニューエイジは宇宙! アセンション! チャネリング‼ と弾けている印象。オカルトという大きなくくりの中では、キラキラ度が高いと言いますか。

 ニューエイジとスピリチュアリズム。共通点はありながら相容れないものだったと思いますが、池川氏は双方から「胎内記憶」に都合のいい部分をつまんでらっしゃるよう。昨今は宗教色が強いとウケませんから、「こどもが語る、絵本のようなほんわかした魂の世界」や、「妊活」「宇宙人」といったキラキラをちりばめると、いい塩梅のハートウォーミングなスピ物件が完成するのでしょう。そして不思議大好きスピ系ママや子宮系女子たちから教祖様扱いされれば、ママと赤ちゃん以上に、池川先生ご本人が一番幸せに……。

 同書は胎内記憶の中でも、特にMUNAKUSO語録が充実している本として、我が家の本棚に並べておきますね。

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