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ドラマ『あなたには渡さない』は昼ドラ級の濃厚不倫サスペンス!! 原作は『隠れ菊』

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木村佳乃VS水野美紀、怪演再び?

 『あなたには渡さない』の主人公・通子の境遇も、『真珠婦人』『牡丹と薔薇』の主人公たちと同様、とにかく強い。有名料亭の板長である夫と裕福で幸せな家庭を築いてきたのに、突然の愛人出現で今までの生活が崩壊してしまうが、通子は諦める道を選ばない。愛人から夫を取り戻すため女将となり闘うことを決意する。

 このドラマは「男女の愛憎」をメインに繰り広げられていくが、ただそれだけに徹した物語ではない。夫に裏切られどん底に突き落とされた普通の主婦が、自力で道を切り開き一人前の経営者になるまでの「サクセスストーリー」でもあるのだ。

 スキャンダラスな物語に負けず劣らず、出演陣も目を引く豪華な顔ぶればかり。ドラマのみならずバラエティでもその魅力を存分に発揮している木村佳乃が、今あえてこの作品を選んだことは非常に挑戦的であるし、2017年に放送された『奪い愛・冬』(テレビ朝日系)の怪演で話題をさらった水野美紀が、主人公の敵というポジションの役柄に再び挑戦することも期待が高まる。

 『奪い愛・冬』で常軌を逸したモンスター妻・蘭を演じ視聴者を恐怖に陥れた水野だが、回を重ねるごとに凄みを増していく迫真の演技で「面白い」「コントにしか見えない」と、視聴者の目を釘付けにし、笑える人気キャラクターへと進化していった。興味本位で視聴していた私も、ドラマの最終回では「もう蘭を観られなくなるんだな」と寂しく思ってしまったぐらいだった。

 『あなたには渡さない』は、原作が連城三紀彦の小説ということもあり、あの時のように突き抜けた水野の演技が観られるかどうかはわからないが、演技派女優と名高い彼女のことなので、何かしら楽しませてくれるに違いない。

 男性キャスト陣もある意味、とても興味深い。和久井映見との離婚後は俳優業よりも雀士としての活躍が目立ってしまっている萩原聖人と、誠実そうな外見に反して女性を泣かせ、週刊誌の標的となってしまった田中哲司が、女性陣に振り回される男性を演じる。

 なぜこの2人を主人公の相手役に選んだのか、制作側の強い意図を感じてしまうが、この役が彼らの新境地を開くことになるのは間違いないだろう。

 ただ、このドラマが大人を熱狂させるドラマになれるか、ただの「昭和のリバイバル」作品として終わるかは、まだわからない。視聴者を巻き込んだ盛り上がりをつくれるか、その行く末が楽しみだ。

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