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一昔前は、新卒入社した会社で定年まで勤めることが一般的な働き方とされていたが、今は様々な仕事に挑戦し、より豊かなキャリアを積みたいという考え方も浸透しつつある。そして年功序列で順当に給与がUPしていく高度成長期のような好景気も期待できない現在、副業に興味を持つ人が増えている。
エン・ジャパン株式会社が今年発表した調査によると、88%のビジネスパーソンが「副業に興味がある」と考えていることがわかった。副業に興味のある理由は、「収入を得るため」(83%)が最多。「自分のスキルアップのため」(22%)、「自分のキャリアを広げるため」(18%)とビジネスパーソンとしてレベルアップを目的としている回答は少ない。
また、INOUZTimesが正社員100人(男性43人、女性57人)を対象に実施した「給与の満足度」のアンケート調査では、自分の給与の満足度を5段階で評価すると、「1(不満)」は26人、「2(まぁ不満)」は25人と、約半数が不満を感じていた。
副業に興味のある人が多いのは、働くことへの好奇心や意欲の高さから来るものではなく、現状の給与に満足していないことが背景にあるようだ。
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給与は上げない、副業も認めない
今のビジネスパーソンには、将来への不安を払拭するため稼げる時に稼いでおきたいという心理もあるのかもしれないが、副業を認めていない企業は多い。
株式会社リクルートキャリアが人事部かその他部署の管理職の正社員を対象に実施した「兼業・副業に対する企業の意識調査(2018)」によると、兼業・副業をを禁止している企業は71.2%もあることがわかった。
また、禁止している理由について聞くと、「社員の長時間労働・過重労働を助長するため」(44.8%)が最も多く、「労働時間の管理・把握が困難なため」(37.9%)、「情報漏えいのリスクがあるため」(34.8%)と続いた。従業員の労働時間を気にしている企業が多いのは、副業を容認すると社員の休息時間が減り本業のパフォーマンスが落ちてしまうことや、過労死を引き起こす最悪のケースも危惧しているのかもしれない。
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