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世田谷区で保育士が一斉離職…手取り20万円に達する保育士求人の少なさ

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Thinkstock/Photo by maroke

 「こどもの杜」が運営する東京都世田谷区の企業主導型保育所である上北沢駅前保育園と下高井戸駅前保育園で、保育士、調理師、栄養士ら職員計18人が10月末で一斉退職していたことが判明した。

 今年4月に開園した上北沢駅前保育園では10月末に保育士ら7人が退職し11月1日より休園。10月末に保育士ら11人が退職した下高井戸駅前保育園では、新たに職員を確保するなどして、運営を続けている。

 児童育成協会の調査に退職した複数の職員は「給与未払いがある」と答え、一方の経営者は「未払いはない」と話しているなど、証言には食い違いが生じている。

 「企業主導型保育所」とは、企業が自社の従業員向けに設ける認可外保育施設で、待機児童対策の一環として2016年度より国が導入。認可外施設のため、保育士の配置基準や園児1人あたりの面積などは認可施設よりも緩いが、一定基準を満たせば国からの助成は認可施設並みに受けられる。

 しかし基準が緩いという点で、保育の質や安全管理への不安は当初から指摘されていた。「保育士の配置基準が緩い」ことは、保育士1人あたりの負担が増えることに直結するだろう。

保育士の平均年収は300万円ほど

 今回の一斉退職の背景には給料未払いなどのトラブルの可能性もあるが、保育士の賃金の低さはかねてから指摘されており、保育士資格を持ちながらも賃金を含めた待遇面の不満ゆえに保育士の仕事に就いていない“潜在保育士”も多い。待機児童問題を解決するためには、保育士の待遇改善は喫緊の課題だ。

 様々な業界の年収データを集めている「年収ラボ」によると、保育士(平均年齢35.0歳)の平均年収は323万円、平均月給で22万円。手取りにすれば月19万程度になるだろうか。また、厚生労働省発表の「賃金構造基本統計調査」によれば、平成26年度の全国の保育士の平均給与月額は21万6100円、年間賞与額は57万3800円。平均年収は316万7000円だ。

 そもそも認可であれ認可外であれ一定の基準の元で運営しなければならない保育園は、手厚いオプションサービスをつけて高い保育料を設定する一部の高級嗜好の園を除けば、利益を上げて大儲けできるような事業ではない。今以上に国からの助成を増やす=税金を投入して保育士らへの人件費に回すべきことは自明だろう。幼保無償化のスタートを前に、無償化よりも保育士の待遇を改善して人員を確保すべきだとの意見も多い。

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ウェジー 2018.10.20

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中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー

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