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女子大学生の就活人気企業が“男子化” 背景に、好景気と大学キャリア教育の普及か

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Thinkstock/Photo by BartekSzewczyk

経団連が就活ルールを廃止!

 2018年9月、経団連(日本経済団体連合会)の中西宏明会長が記者会見で「個人的に、経団連が採用選考に関する指針を決め、日程の采配をすること自体に極めて違和感がある」と発言。10月に経団連は就活指針の廃止を正式に発表した。

 企業側の代表である経団連の就活ルール廃止宣言を受けて、政府は大学側(短大、専門校を含む)の就職問題懇談会と組んで、新たな就活ルール指針を適用させるという。

 そもそも、就活ルールづくりに経団連の力を借りていたのは、就職人気企業の多くが経団連に加盟していたからである。では、具体的にどのような企業が学生に人気があったのか。日本の就職人気企業ランキングの変遷を確認していこうと思うのだが、こういった企画は男子大学生に偏る傾向が強いので、ここではあえて女子大学生の就職人気企業にターゲットを絞ってみたい。

2000年、2018年の就職人気企業比較

 経済誌「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)は毎年継続して「大学3年生が選ぶ就職人気企業ランキング」を掲載している。2000年調査の女子大学生の就職人気企業ランキング1位は、文系がJTB、理系がP&Gだった。

 ちなみに、同年の男子大学生では文系も理系もソニーが1位だった。紙幅の関係から男子大学生の上位10社は掲載しないが、文系は総合商社や大手銀行、理系は自動車や電機メーカーが多い。

「大学3年生が選ぶ就職人気企業ランキング」(2000年調査)
【文系女子】
1 JTB
2 東京海上(東京海上日動火災保険)
3 全日本空輸(ANA)
4 日本航空(JAL)
4 日本放送協会(NHK)
6 NTTドコモ★
7 ソニー★
8 資生堂
9 サントリー
10 ベネッセコーポレーション

【理系女子】
1 P&G
2 アンダーセンコンサルティング★
3 ソニー★
4 資生堂
5 花王
6 サントリー
7 日本放送協会(NHK)
8 野村総合研究所
9 キリンビール
10 雪印乳業
10 NTTドコモ★

【註:ダイヤモンド社刊「週刊ダイヤモンド」2000年3月25日号より作成/カッコ内は現社名または正式名称を示す/★付の企業は、男子大学生による文系・理系の就職人気企業上位10社にランクインの企業を示す】

 こうして見ると、総じて男子はホールセール(大手法人顧客向け)の業界・企業が上位に並ぶことが多く、「スケールの大きな仕事ができそうな企業」を求めるのに対して、女子はリテール(個人顧客向け)が多く、実際に商品やサービスを購入して具体的なイメージが想起できる企業を選ぶ傾向が強い。

 具体的に述べると、男子は文系が銀行(3社)、総合商社(2社)、理系が電機(4社)、自動車・重機(3社)。対して女子は、文系が航空・旅行関係(3社)、理系が食料品(3社)、日用品(3社)が多くなっている。

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 ところが、2018年調査になると、女子大学生の就職人気企業ランキングでは金融・商社が大躍進し、男子大学生の就職人気企業ランキングとほとんど同じ様相を呈してくる。

 特に文系女子は、銀行(3社)、損保(3社)、総合商社(3社)、証券(1社)と、上位10社が金融・商社のみという偏りぶりだ。理系は、食料品(5社)が多いという女子の特徴を残しながらも、総合商社(4社)が台頭している。

「大学3年生が選ぶ就職人気企業ランキング」(2018年調査)
【文系女子】
1 東京海上日動火災保険★
2 三井物産★
3 伊藤忠商事★
4 住友商事★
5 三菱商事★
6 三井住友海上火災保険★
7 損害保険ジャパン日本興亜
8 三菱UFJ銀行
9 みずほフィナンシャルグループ
10 大和証券グループ★

【理系女子】
1 明治グループ
2 三井物産★
3 サントリーグループ★
4 伊藤忠商事★
5 三菱商事★
6 東京海上日動火災保険★
7 森永製菓
8 住友商事★
9 味の素
10 カゴメ

【註:ダイヤモンド社刊「週刊ダイヤモンド」2018年4月7日号より作成/★付の企業は、男子大学生による文系・理系の就職人気企業上位10社にランクインの企業を示す】

 金融・商社の躍進は女子だけに限ったことではなく、理系男子においても同様である。2018年調査の理系男子の就職人気企業ランキング上位10社は、総合商社が6社と過半を占めたのに対して、メーカーは1社(サントリーグループ)に過ぎない。

 つまりは男女共に「文系は金融・商社、理系はメーカー」というすみ分けが崩壊し、「みんな金融・商社」人気になってしまったのである。

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