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BTS「原爆Tシャツ」の広がる波紋 歴史認識ですれ違う嫌韓と反日に和解の術はあるのか

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日本の終戦記念日は韓国にとって「日本の占領から解放されたお祝いの日」

 BTSメンバーの着ていた「原爆Tシャツ」だが、日本人にとっては「原爆Tシャツ」であるが、韓国人にとっては「植民地からの独立を祝うTシャツ」であるという。東スポの記事でも<日本に国を奪われ、日本植民地時代を経て、明るい光を取り戻した日が光復節という説明。光復を迎えて大韓民国国民が万歳を呼ぶ姿。戦犯国日本で発生した原爆投下のシーンなどが盛り込まれている>と触れられているように、日本にとって8月15日は終戦記念日だが、韓国にとって8月15日は独立記念日だ。

 この認識の違いは、日韓のあらゆる確執の中心にあるといえるだろう。慰安婦問題にしろ徴用工問題にしろ、韓国は「日本に理不尽に占領された被害者」との認識だが、一方の日本は「すでに充分な謝罪をしており問題は解決済み」と捉えている。また、日本では「そもそも理不尽な占領などしていない」と歴史修正主義を唱える声も大きくなってきており、対立は一向に解消されない。

 筆者は日本人の立場から、原爆のきのこ雲がプリントされたTシャツは悪趣味だと感じた。韓国人にとっては原爆が戦争を終結させた幸せの象徴なのかもしれないが、原爆により広島・長崎には甚大な被害がもたらされ、一般市民の命が多く奪われた。そのことを踏まえても韓国にとって原爆が「お祝いのイメージ」なのだとしたら、率直に言って引いてしまう。

 その一方で、日本において排他的かつ攻撃的なヘイトスピーチを繰り返す嫌韓の人々にもまったく同調はできない。「韓国人」を十把一絡げに否定したり、在日朝鮮人を差別する態度には憤りを覚える。同様に韓国側にも「日本人」をまとめて全否定する向きはあるのだろうが、それも同じく理解に苦しむ。どちらも相手を侮辱する卑劣な行為で、正当化の余地はないと考えている。

 歴史認識ですれ違い続ける日本と韓国に和解の術はあるのだろうか。両国とも、歴史をめぐる対立に穏当な形で終止符を打ちたいと願う国民はいるはずだ。愛国心が他国への攻撃に結びついてしまうことほど悲しいことはない。それぞれの嫌悪感を煽るヘイト合戦は、互いに疲弊していくだけだ。

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