11月7日、日本テレビの人気バラエティー番組『世界の果てまでイッテQ!』が、ありもしないラオスの祭りを捏造して放送したと「週刊文春」(文藝春秋)が報じた。8日、日テレはヤラセ報道を否定しているが、ラオス政府も対応を協議しているという。『イッテQ!』の打ち切りはおろか、国際問題にまで発展しかねない状況だ。
「週刊文春」がヤラセを糾弾したのは、5月20日に放送された同番組の人気コーナー、「世界で一番盛り上がるのは何祭り?」という企画だ。ラオスの首都・ビエンチャンで行われた「橋祭り」に、宮川大輔(46)が参加するという内容だったが、現地日本人による告発を受けて同誌記者が3週間にわたって現地取材を行ったところ、ラオスの情報文化観光省観光部、情報文化観光省マスメディア局など、複数人が「ラオスに橋祭りなんて聞いたことがない」と証言したという。「橋祭り」は番組側がセットを組み、地元の人々に協力を仰いででっち上げた、虚偽の祭りだというのだ。
この報道を受け、8日午後、日本テレビは見解を公表。〈今回の企画は、現地からの提案を受けて成立したもので、番組サイドで企画したり、セットなどを設置した事実はなく、また、番組から参加者に賞金を渡した事実もございません。〉と強く否定したうえで、〈会場での開催実績を十分に確認しないまま作業を進めてしまいました。結果、この会場で初めての開催であった「橋祭り」を、放送では毎年行われているかのような、誤解を招く表現となりました。この点については、番組として真摯に反省すべき点があったと考えております。〉と弁明した。
しかし8日夕方、「週刊文春」編集部は反論に出る。日テレ側が、〈東南アジアのテレビ局でも取り上げられるなど各地で人気となっている催し〉という解釈については、〈「イッテQ!」のエンドロールに、「海外コーディネーション」としてクレジットされているM社の社長は、「週刊文春」の取材に対し、ラオス「橋祭り」を自ら企画したことを認めています。また、タイ人スタッフから、セットの設営はM社からの依頼によるものだとの証言を得ています。〉と主張。
さらに、日テレが〈番組から参加者に賞金を渡した事実もございません。〉という説明には、〈少年たちからは「賞金」や自転車などを受け取ったとの証言を得ています。〉と、真っ向から反論している。
「週刊文春」と日本テレビの主張は見事に食い違い、平行線を辿っている状態だ。
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