坂上忍は御意見番のように扱われているが、複数の出演者を招いている以上、番組として固まったひとつの意見だけを押し通すのではなく、それぞれの主張を聞き議論することがMCとしてあるべき態度だろう。
番組側が求めていたのは、八王子の事件を厳しく糾弾することだったが、内藤氏は今後このようないじめを再発させないためにどうすればいいかを話した。生放送ゆえ台本通りにトークが進まないことへの焦りが、坂上忍を無礼な態度にさせていることは明白だった。つまり、坂上忍に生放送の柔軟なハンドリングは難しいのではないか。
坂上忍に異論ぶつける出演者は排除される?
『バイキング』にはかつて、雨上がり決死隊の宮迫博之(48)や小籔千豊(45)もレギュラー出演していたが、いずれも降板している。
今年4月の番組改編で、雨上がり決死隊は『バイキング』の金曜MCを降板したが、8月に出演したラジオ番組で宮迫は「しんどいから辞めた」「プライベートでも<憶測でそういう人のこと言うてあげんな>って言ってしまうタイプが、そんなものの司会やったらアカン」と、自分に『バイキング』は不向きだったと語っていた。一部では、憶測でものを言えない宮迫が踏み込んだコメントをしないため、坂上と衝突したという報道もあったが、番組の描くストーリーと宮迫の相性が悪かったことは確かだろう。
今年の9月には小籔千豊も『バイキング』を降板。小藪は『AbemaPrime』(AbemaTV)で、番組名こそ明かしていないが「反対意見を少しでも言うとMCにすごいイヤな顔をされたり、強制的にCMに行かされたりすることで心、折れてきますよ」と発言したことがあった。小藪は以前から『バイキング』において坂上と反対の意見を主張し、言い合いになることもしばしばだった。
2人の降板により、『バイキング』では坂上の意見に他のレギュラー出演者が同調する構図がいっそう明確化した。しかし同番組で扱うような時事問題には、性別や年齢、それぞれの置かれた立場などによって、様々な意見が存在するのが常であり、一方向の意見だけを垂れ流すのは危険ではないだろうか。情報番組として、多方面からの意見を元にした議論が必要なはずだ。