政治・社会

BTSの「原爆Tシャツ」「ナチス」問題でデマ拡散 沈黙は破られるのか

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10月には米TIME誌アジア版の表紙も飾ったBTS(防弾少年団)

 韓国のヒップホップグループ・BTS(防弾少年団)をめぐる国際的な問題がいっそう過熱している。発端は、BTSメンバーのジミンが着用していたTシャツのデザインだ。そのTシャツは韓国の「光復節」(終戦記念日)を祝うものだが、第二次世界大戦で日本が原爆を落とされて降伏したことが、すなわち韓国の日本支配からの独立につながったということなのだろう、原爆のキノコ雲と万歳する韓国の人々の図柄がプリントされている。

 このTシャツのデザイナーは「日本をばかにする意図ではない」と説明しているが、日本では原爆のキノコ雲をデザインした洋服そのものへの疑問の声も大きい。それが「BTSは反日だ」「そんなに日本が嫌いなら日本で芸能活動をしないでほしい」といった声として広がっている。

 筆者もそのTシャツのデザインには違和感を覚えた。戦時中に日本が韓国に対して非道な行為に及んでいたとしても、原爆投下という悲劇的な結末には、両国ともに悼む心を持つべきだろう。

 一方で、BTSに対して脊髄反射的に「反日だ」と攻撃をする感覚はまったく理解し難い。現状、「嫌韓」もそして「反日」も、どちらも被害者感情が強すぎて、思考停止しているのではないか。お互いが「自分たちこそ被害者だ」と主張し相手を罵り、「向こうが悪いのだから、自分は悪くない」と言い張っているように見える。

 韓国では、BTSがテレビ朝日の音楽番組『ミュージックステーション』への出演取り止めになったことを、徴用工判決に不服な日本側の制裁だと伝えるメディアもあったそうだが、その見方もまた短絡的ではないか。どちらも「自分たちは悪くない」と訴えるばかりでは当然、平行線だろう。相手側の言い分を冷静に理解しようと努める姿勢は望めないのだろうか。「貶められた」と感じたからといって、相手を攻撃する権利が生まれるわけではない。

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