政治・社会

パワハラどころか“傷害罪”ではないのか 従業員を吊るし上げ鉄パイプで殴打する動画が流失

【この記事のキーワード】
PAWAHARA1114

Thinstock/Photo by AndreyPopov

 先週、兵庫県にある会社の従業員が手をロープで吊るし上げられ、上司から鉄パイプで殴打されている動画がネット上にアップされた。動画をアップした人物は不明だが、動画には会社名と鉄パイプで殴打している社員の実名が公開されており、「鉄パイプで従業員を殴打している上司にこのような事をする権利があるのか」と書かれていた。

 朝のニュース番組『ビビット』(TBS系)は、動画の件についてこの会社の社長を取材。社長は「動画は昨年社内で撮影されたもの」と認めながらも、「ふざけてやったんですよ。叩かれている男がね」と回答した。

 また「よその従業員に対してトラブルを起こして、話し合ったけど収まらなかったと」「それで<私が罪を受けますから4回だったら叩いてくれ>と言ったと」と、叩かれている男性が罰を受けることを望んだと説明している。

 なお、叩いた上司と叩かれた男性は“和解”しており、慰謝料として60万ほどの金銭が渡されたという。社長も上司に対して「今後このようなことは絶対にするな」と注意したそうですでに“解決済み”と認識しているようだ。

 しかし鉄パイプでの殴打は「被害者の男性自らが望んだこと」にもかかわらず、「慰謝料を支払って和解した」という流れには違和感が強い。また、『ビビット』は“動画についてよく知る人物”にも取材を決行。“動画についてよく知る人物”は「叩かれている男性へのパワハラが日常化しており、1年ほど続いている」「いい標的にされていて、逃げるのも怖いのでは」と、男性が日常的にパワハラを受けていることを証言している。

会社のルールを破った罰として“暴行”を加える

 会社のルールを破ったことの罰として従業員に暴行を加え、裁判で“パワハラ”と認められた会社も存在する。

 福岡県にある運送会社「大島産業」では、勤務時間内に男性従業員が温泉に入ったとして、同僚らが男性に対して「髪の毛をバリカンで剃る」「高圧洗浄機で水をかける」「川の中へ入るように命令し、川から上がってきた男性にロケット花火を連射する」などの暴力行為に及んだ。それだけではなく、従業員らは罰として男性に暴行を加えている様子を会社のブログにアップ。丸刈りにされた男性の写真なども見つかった。

 被害を受けた男性は「悔しかった。自殺も考えた」とし、会社に対してパワハラがあったと告訴。しかし、裁判で会社側はパワハラではないと主張し、「頭を丸刈りにしたのは男性が皮膚の病気にかかっていたから」「高圧洗浄機は男性が自らふざけて浴びている」「ロケット花火は男性が戦争ごっこをやろうといった」と、原告がふざけて自らやったことと弁明した。

 双方の異見は真っ向から対立していたが、今年9月、福岡地裁は会社側の証言を“信用できない”とし、会社側に1500万円の支払いを命じる結果を出した。それでも会社側は裁判後の取材で「事実無根」と主張し、起訴の意向を示していたという。

1 2

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。