キャリア・仕事

「10連休」がどれほどイヤか…お祝いムードどころではない強引な休暇制定

【この記事のキーワード】
【画像、関連OK! 】10連休はヤバイだろの画像1

Thinkstock/Photo by Tatomm

 皇太子さまが新天皇に即位される来年51日と、新天皇即位を公に宣言する「即位礼正殿の儀」が行われる来年1022日を1年限りの祝日と定める法案を、政府は今月13日に閣議決定し、国会に提出した。成立すれば、祝日法によって「祝日」に挟まれた430日と52日も「休日」となる。さらに前後の土日を含めると、来年のゴールデンウイークは427日から56日までの「10連休」となる。

 菅義偉官房長官は記者会見で「ゆとりのある国民生活の実現」に期待する旨を述べていた。が、この10連休の成立によって「ゆとり」がもたらされる国民はどれほどいるのだろう。むしろ、ゆとりを奪われ困る国民だって少なくないのではないか。

10連休でゆとりを奪われる層

 カレンダーが祝日・休日続きの10連休になったからといって、世の中のあらゆるシステムは動いている。たとえば交通機関や医療機関や警察機関は、日曜だろうが祝日だろうが常に誰かがシステム維持のために「働いて」いる。サービス業も然り。旅行産業や外食産業などは、ゴールデンウイークのような連休こそ大きな収益が望め、それゆえに多忙になる。

 そうなると、連休中も稼働している業界で働き、なおかつ子育て中の身である人たちは困ることが予想される。多くの保育園や幼稚園は、祝日・休日に開いていない。祖父母や親戚など子どもを預かってくれる相手もおらず、シッターを雇う金銭的余裕もなければお手上げで、繁忙期に仕事を休まなくてはならない。

 10連休となれば、収入面での不安を抱える人もいるだろう。月給制あるいは年俸制の会社員や公務員は10連休でも給与に変動はないだろうが、会社員や公務員より収入が少なく不安定である場合が多い非正規雇用者や自営業者やフリーランスの人たちには打撃が大きい。

 これを書いている筆者も、フリーランスのライターで生計を立てている。10連休中、子どもを保育園に預けられるのは土曜日である427日と54日の2日間だけ。稼働日が減れば収入減に直結して、翌月や翌々月に困るのが今から目に見えている。また個人に限らず、単純に営業日がそれだけ減れば売上の減少につながる懸念を持っている企業もあるのではないだろうか。

 「ゆとりのある国民生活」と言われても、日本に暮らす人々の生活はあまりに多様。政府はそのうちの1パターンに過ぎない“国民”だけを想定しているように見える。「ゆとり」のためには基盤が重要だが、その基盤がそもそも整わず、10連休がもたらす弊害に怯える国民も多いだろう。これで「お祝いムード」が高まるのか、はなはだ疑問である。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。