TikTokの大流行に見るSNSの低年齢化、ネット顔出しのリスクを子どもにどう教える?

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いまや小学生にも大人気 低年齢化が進むTikTokユーザー、親が教えられることは?

 さらに深刻な問題は、ユーザーの低年齢化が著しく進んでいることだ。いまやTikTokは、女子小学生の間にも人気が浸透しているという。まだ自分のスマホを持たせていない小学生の子どもであっても、親のスマホを借りて遊ぶ。子どもにせがまれてTikTokアプリをダウンロードしたところ、見るだけではなくいつの間にか投稿している例は少なくないという。

 TikTokの規約では「13歳以上の利用」に限ると明記されているものの、明らかに小学生と見られる投稿者は多い。親の管理下において利用するならまだしも、子どもが親の目を逃れてアップしているような、拙い投稿もちらほら見受けられる。

 「小学生の投稿を見ると、あまりにネットリテラシーが低く、ハラハラするものが多いです。好奇心が旺盛かつ可処分時間の多い小学生は、TikTokにハマリやすいともいえますが、親の目を離れて使うのはあまりに危険です」(同)

 TikTokは、アプリ上の「プライバシー設定」で、アカウントを非公開にすること、DM機能の停止や動画の転載を防ぐことができる。また、視聴時間を2時間までに設定する「デジタルウェルビーイング」を設けることも可能だ。親があらかじめ、これらの設定をしてから子どものアカウントを開設することもできるが、「アプリ上の簡単な操作で制限できる反面、同じ手順で子どもが突破することも容易です。大人が制限しすぎることで、子どもが隠れて設定を変更することもあるでしょう」と、高橋氏は指摘する。

 「そもそも、インターネット上で顔出しや実名を公開するのがなぜ危険なのか、その前提を理解していない子どもが多い。大人ならリスクを予測し、回避できても、子どもにとっては未知の危険にもなりえます。親がインターネットのリスクをしっかりと説明して、子どもを納得させる必要があります」(同)

 では、どうすれば、SNSを利用するうえでの大前提として、インターネットのリスクを子どもに認識させることができるだろうか。

 「これまでネットで炎上した事件をスマホで検索して子どもに見せ、名前や顔などの個人情報がネットに出回る怖さを想像させることが有効です。いたずらに子どもを脅すわけではなく、世の中で実際に起きていることですから。子どもが危険を理解したうえで、自分自身の投稿内容や使い方を省みることが大切でしょう。もちろん親が、子どもの使い方をある程度把握しておくことも必要です」(同)

 TikTokに限らず、SNSのサービスは次から次へと現れ、これからも進化を続けていく。大人からすれば、中高生の流行なんてついていくのがやっと……というのが本音かもしれないが、子どもに危険が迫る以上は、知らなかったでは済まされない。親も情報をアップデートし、ともに学んでいく姿勢が必要だろう。

(森江利子)

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