「タトゥーを入れるとMRI検査を受けられなくなる」は本当か?

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MRI検査での注意点とは

 国立国際医療研究センター病院ではMRIの検査前の注意事項としてとして次のような説明がある。

<MRI検査室内は強力な磁場が発生していますので、検査の受けられない方や室内に持ち込めないものがあります>
●次の方は検査が受けられません。
心臓ペースメーカーや人工内耳を体内に装着している方
●次の方は検査が受けられないことがあるため、あらかじめ担当者にお知らせください。
体内に脳動脈クリップや人工関節などの金属が埋め込まれている方。以前に外科手術を受けたことがある方。妊娠されている、またはその可能性がある方。狭いところが苦手(閉所恐怖症)な方。刺青のある方。
●次の物は故障や検査に影響することがありますので、検査前に必ず取り外しておいてください。
金属類:携帯電話、時計、ヘアピン、カギ、メガネ、アクセサリー類 など。
磁気カード:キャッシュカード、クレジットカード、定期券 など。
その他:補聴器、義歯、カイロ、エレキバン、ベルト、金属のある下着、アイメイク など。

 上記のほかにも、コンタクトレンズには酸化鉄などの金属を含むものがあり、装着したままMRIを実施すると、発熱により角膜や眼球への障害が起こるとする病院もある。また、アメリカではアイライナー、眉毛、リップライナーなど化粧目的の顔面タトゥー、金属を含む発汗抑制剤や日焼け止め剤などでも熱傷の起こる可能性が指摘されている。

実際にタトゥーでの熱傷事故は起きている

 さて、タトゥーでの医療事故は本当に起きているのか?

 アメリカでは1997年に、腹部にタトゥーを入れた女性の患者がMRIを実施し、タトゥー部分に火傷を負ったという症例が報告されており、2000年にもタトゥーを入れた患者2名の火傷が報告されている。1人の患者は、鮮やかな色といくつかのループ模様とドラゴンの大きなタトゥー(20×10 cm)を入れていたが、ループ状の模様の部分が最も火傷の度合いがひどくなっていた。

 ループの形をしたタトゥーはアンテナのように働き、磁石からより多くのエネルギーを吸収することで、加熱しやすいと思われる。熱傷の酷さは、タトゥーの大きさ、タトゥーで使われている顔料の磁性の度合い、さらにループ模様のようなタトゥーの形状によって決まる傾向があると指摘されている。

 2002年には、眉毛やアイライナーといった化粧目的のタトゥーでMRIに関連する合併症および有害事象の発生率を決定する調査が行なわれた。化粧目的のタトゥーを施した後でMRI検査をした135人の患者を特定した結果、2人(1.5%)の有害事象が報告されている。2名の患者は頸椎のMRIを受けており、いずれも目元に青色や黒色など金属含有の可能性が高いインクを使ったタトゥーを入れていた。

 しかし、有害事象の内容は、研究が終了した際には治癒しているほどの軽度の<うずき>と <燃える感覚>であったため、それほど重篤ではなく、極めてまれな事故だとも考えられる。

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