こうした事故をうけ、タトゥーに使用されるインクは酸化鉄などの金属成分を含むものが減少している傾向にあるといわれるが、アメリカではFDAによって規制されていないため、タトゥーインクにどのような成分、物質が使用されているかを判断するのは難しいのが現状だ。
最近日本では、タトゥーだけでなく薄毛対策で人気のある「スーパーミリオンヘアー」によるMRI機器内での飛散事故が、ネット上で話題になっていた。飛散事故が起こった場合、MRI装置が故障し、数日間使用できなくなるという。病院側が注意を呼びかいけていたようだが、事の真偽は定かではなく、具体的な事故の情報は少ない。
「スーパーミリオンヘアー」のメーカー側は、「商品の成分は植物性の繊維で金属は含まれていないため安全」としているが、輸入されている類似品には酸化鉄などの金属成分が使用されている場合もあるので、注意が必要なようだ。
タトゥーがある場合は、検査前に医療機関と相談を
多くのアメリカの医療機関では、タトゥーによる熱傷事故の可能性について
「It’s rare, and no good reason to skip your MRI, but it can happen」
つまり、「熱傷事故はまれであり、それを理由にMRI検査を受けないのは正しいとはいえない。しかし、熱傷事故は起こり得る」と表示している。
化粧目的のタトゥー含め、すでに体のどこかにタトゥーがある場合、あるいはこれからタトゥーを考えている場合は、自分のタトゥーインクに、金属成分が含まれているのかどうかを調べておくべきだろう。その上で、MRIを受ける場合は、きちんと医療機関でその内容を事前に伝えることが大切だ。正確な情報に基づいて医療機関と話し合えば、過剰な心配は無用だろう。