診療報酬の「妊婦加算」、批判の背景に不信感 負担増額の理由は

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 ネット上では、妊婦に丁寧な診療を施した病院への正当な報酬ではないかとして、妊婦加算そのものには賛成の立場を取る声もある。しかし、その費用を妊婦自身に負担させるという点については、多くの人が疑問を抱いているようだ。乳幼児の場合と同様、国や自治体からの医療費助成という形は取れないのか、ということである。

 また、妊婦加算は4月から導入されているにもかかわらず、周知が行き渡っておらず、「妊娠中なのに知らなかった」という声も見受けられ、今回「妊婦加算」に批判が集まったのは、妊婦加算への反対というより、むしろ、周知や説明が不十分のまま妊婦加算を導入した行政の姿勢への批判や不信が大きいのではないか。消費税増税も控える中、あらゆる増額・加算に国民は敏感になっている。

 厚生労働省は11月2日、各都道府県などに「妊娠中の健康管理及び妊婦加算の周知について」と題した通知を出し、妊娠中の健康管理にかかる留意点、妊婦加算の趣旨・内容について周知を図るよう、呼びかけている。また、11月13日には、根本匠厚生労働大臣が閣議後の記者会見で妊婦加算についての考えを聞かれ、次のように回答した。

 「妊婦の方々の外来診療については、胎児への影響に配慮した薬剤の選択が必要、あるいは、レントゲンの撮影が困難な場合があるということから、通常よりも丁寧な診察を行っていただく必要がある」

 「たとえば、妊婦の虫垂炎については、胎児への影響からレントゲンやCTの撮影が困難ですから、より慎重な診療が必要となるし、あるいは、薬剤の選択についても、痛み止めやあるいは抗生物質、こういうものが妊婦に影響がある可能性があるので、こういう選択もしっかりしてもらう」

 妊婦加算は妊婦及び胎児への影響を配慮した施策であるのだと説明し、「加算の趣旨を妊婦やそのご家族に理解していただくことが重要」とも語っているが、加算の趣旨について広く理解を求めるにあたって、いっそう周知に励まなければ一般市民の困惑や批判は収束しないだろう。ただでさえ少子高齢化に歯止めがかからない日本社会、この「妊婦加算」が出産と子育てを躊躇させるような制度になってしまっては本末転倒だ。

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