なぜ再犯してしまうのか――「刑務所は犯罪者の養成所」と嘆く

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 法務省が2007年に発表した「研究部報告37」によると、出所時の満65歳以上の受刑者の所持金は平均10万8600円。古い調査で高齢者を対象した調査ではあるが、マキさんの話を聞くと、出所時の所持金が10万円前後の人は少なくなさそうだ。

 所持金が少ないために家を借りられず、家を借りられないために仕事にも就けないという悪循環から、自立することが出来ずに生活保護を受給している人もいるのだろう。こうした状況に「犯罪者のくせに生活保護を貰うのはおかしい」との意見が出ることも予想されるが、社会性を奪われ著しく経済力が低い状態から自立した生活を整えることは、個人の努力だけでは難しいのではないか。二度と犯罪に向かわせないために必要なのは、真っ当な生活を送るための支援だ。

出所しても更生保護施設に入れる人は少ない

 もちろん現状でも支援策はある。元受刑者の出所後の自立サポートを目的とした施設には、「更生保護施設」と「自立準備ホーム」があり、これらの施設では、食事を無料で支給してくれ、就労支援なども行ってくれる。ただ、出所者が全員入所できるわけではない。

 「平成29年版 犯罪白書」によると、2016年度の満期釈放等で出所した人の帰住先で、「更生保護施設等」はわずか4.3%。最多は「その他」(49.1%)で、その内訳の詳細は書かれていないが、「不明」、「暴力団関係者」などが挙げられている。

 出所しても出所前と状況が大きく変わらないために、再び犯罪に手を染めてしまう……これでは何も解決しない。結果的に犯罪被害者が増えてしまうだけだ。

 再犯について「犯罪者は根っからの犯罪者」「全く反省できていない」などと安易に一蹴しては、問題から目を背けていることになる。元受刑者の出所後の環境整備は、我々が安心して社会生活を送れるようにする上で、重要なことではないだろうか。

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