『妖怪ウォッチ』も『プリキュア』も……転売屋に狙われる子ども向けおもちゃ
今回のポケモンカード転売騒動で思い出されるのは、2014年頃に大ブレイクしたアニメ『妖怪ウォッチ』(テレビ東京系)だろう。子どもたちの間でアニメが大流行したことにともない、劇中のアイテムを模造したおもちゃ『DX妖怪ウォッチ』や『妖怪ウォッチ零式』、『妖怪メダル』などがすさまじい人気商品となった。
しかしこの時も、転売を目的とした大人が発売日に買い占めて、子どもたちの手に行き渡らないという不健全な状態が見られていた。当時、オークションサイトには妖怪ウォッチグッズの高額出品が相次いだが、子どもかわいさに買ってしまう親も多く、転売行為の横行は社会問題にまで発展した。
妖怪ウォッチの転売屋は、アニメのブーム終焉とともに姿を消した。代わりに今は、ポケモンカードが転売市場の“狙い目”ということなのだろう。転売屋は、まるでイナゴのように人気商品を渡り歩く。たとえそれが子ども向けのおもちゃであっても、稼げるのならばいいという考えなのだろう。
今年2月、アニメ『HUGっと! プリキュア』(テレビ朝日系)が子ども限定で無料配布したDVDが、大人に不正入手され、メルカリやヤフオクに大量出品されるという事件も起こっている。子どもを”運び屋”として利用しているあたり、まさに手段を選ばない転売行為でタチが悪い。
『プリキュア』限定DVDの転売問題は、子供を運び屋として利用する非道な商売!
2月4日放送のアニメ『HUGっと! プリキュア』(テレビ朝日系)第1話の最後に“合言葉”が発表された。その合言葉を小学生以下の子供が対象のおも…
転売行為はそれ自体が悪質だが、子ども向けのおもちゃをターゲットにすることは余計に許しがたいことだ。子どもが好きなおもちゃで遊ぶ機会が奪われ、転売屋のカネに変えられているという現状は、不愉快極まりない。
(森江利子)
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