学校朝食の希望 「朝ごはんくらい家庭で…」と批判するなかれ

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 しかしこの放送からは、教員が学校や家庭科室の鍵を開けるために早朝出勤しているのではないか? 教員の負担は大丈夫なのだろうか? という疑問も湧く。その点について足立入谷小に問い合わせたところ、吉田益巳校長が取材に応じてくれた。

 「鍵を開けているのは警備員で、警備員が自身の出勤時間に合わせて開錠し、ほぼ同時に地域のボランティアさんが来ています」(吉田校長)

 吉田校長は、「なるべく教員の負担はかけないように」気を配っているという。学校は、場所と子どもを貸すだけで、あとは地域の方がやり、誰が来ても接待はしない。「教員には前もって参加募集をかけたり出席確認をしたりするくらいで、当日はほとんど負担をかけていない」「自分も食べたい教員が手伝うことはある」とのことだった。

児童たちに朝食の良いイメージを伝えるための試み

 この取り組みの発案者である吉田校長自身、前日に児童たちに声をかけ、また当日も朝食を食べてきていない子、少ししか食べてこなかった子がいたら授業に間に合う範囲で誘うという。ちなみに、1時間目が始まるのは8時45分だが、登校時間は8時から8時20分、「学校で朝ごはん」の実施日は参加児童が早めに登校して7時30分集合・7時40分に「いただきます」とのことだ。

 もともとは6時半にボランティアが来ることになっていたが、ボランティアとして支援してくれる人々は朝起きるのが早く、警備員もちょっと早めの出勤となり、結果的に最初の設定より早く開いているという。

 足立入谷小学校は児童数152人で各学年ひとクラスの小規模校。95%の子は朝食を食べており、食べていない子も寝坊とか親の体調不良とか突発的な理由が多いそうだ。朝食がチョコパイだけ、牛乳だけの日があるという子は実際におり、家庭のルールで「朝食は自分で作る」子もいて、そういう子には「明日は作らなくていいからおいで」と声をかけるのだそう。

 番組では50人分の朝食を作っていると紹介されていたが、毎回人数は随分違うそうだ。学年単位+その兄弟で実施しており、撮影当日はテレビに映りたいがために多くの児童が集まり、1年生対象の実施日で特別に保護者参加があったから、多かったとのことだ。

 また、『めざましテレビ』の放送では、朝食を食べていない子どもの〈救世主〉として学校朝食がクローズアップされていたものの、今回の取材で吉田校長は、「学校で朝ごはん」の主旨について、「本校の朝食を食べていない子のためにやっているのではなく、朝ごはんの大切さを伝えるためにやっている」と明かした。

 児童たちに朝食の良いイメージを伝え、大人になった時に朝食を用意する習慣を持ってもらえたら、との思いから、メニューにも気を配る。実施日になると、参加児童たちはそんな朝食を楽しみに学校にやって来るそうで、「うちの学校の子どもたちは朝ごはんを食べていないように全国から思われていたら、残念」と危惧する。

 元々、「学校で朝ごはん」は、「宿泊学習のような発想」から生まれた活動だという。「宿泊学習では、朝、楽しい雰囲気の中、みんなで朝食を食べている。宿泊学習で子どもたちが朝から夜までずっと元気に過ごせるのは、そんな朝食のおかげではないか」と吉田校長は考えているそうだ。

 確かに、筆者も小・中学校時代、宿泊学習でみんなで食べる朝食は、普段の給食とはまた違った雰囲気で楽しかったと記憶している。宿泊学習という特別な時間・空間ゆえ、みんなテンションが高くなり、さほど親しくない相手とも仲良く過ごせたり、なんてこともあった。取材を終えてからあらためて録画した11月16日の『めざましテレビ』の放送を視聴すると、朝ごはんを食べる足立入谷小の児童たちは、元気で活き活きとしていた。

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