学校朝食の希望 「朝ごはんくらい家庭で…」と批判するなかれ

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地域で子どもを見守る取り組みは増えつつある

 学校に限らず、子どもたちに家庭以外の場所で朝食を提供するという取り組みは、徐々に広がっている。広島県廿日市市では11月14日、学力向上などを目的に小学生に無料朝食で提供する広島県のモデル事業を開始した。これも『めざましテレビ』で紹介された取り組みだ。

 都道府県が主導となっての学校朝食の提供は全国初であり、週に一度、企業から無償提供されたパン・シリアルなど調理不要なメニューを地域ボランティアが始業時間前に用意するという。廿日市市の1校で試験的に始まった段階だが、広島県知事は「少しずつ増やし、最終的には県全体に広げることができれば」と展望を語っている。

 そのほか、大阪市西淡路の「朝ごはん屋さん」、福岡県福岡市では週1で企業提供のパン牛乳バナナなどを子どもたちに提供する取り組み、高知県では教員を志す学生主体で学校朝食を提供する「お話モーニング」など、オリジナリティに富んだ朝食提供が全国各地で行なわれている。

 朝ごはんを提供する「子ども食堂」もある。たとえば東京都板橋区のマンションで開かれる「まいにち子ども食堂高島平」では、名前の通り“毎日”、平日・土日祝を問わずオープンしており、朝食は朝7時~8時に提供している。子どもは朝・昼・夕すべて無料で、大人は朝100円・昼200円・夜300円。臨時休業の際はTwitterやFacebookで告知されるとのこと。

 神奈川県横須賀市の古民家を利用した子ども食堂「よこすかなかながや」は、火・木・土の週3日、子どもたち無料で夕食を提供しているほか、今年4月より平日の朝6時半~8時まで朝食の無料提供を行う「あさながや」をスタート。神奈川県平塚市では今年1月、NPO法人未来体験プロジェクトが主宰する「朝ごはんこども食堂」がオープン。居酒屋を借り、毎月第3月曜の朝、子ども50円・大人200円で朝食を提供する。なお、神奈川県では中学校の完全給食の導入が立ち遅れており、現在、横須賀市・平塚市ともに中学校では牛乳のみ提供されるミルク給食しか実施されておらず、それだけに朝食の無料提供は、困窮する生徒たちにとって重要なセーフティーネットにもなり得るだろう。

 一概に“子どもの貧困対策”として括れるような活動ではなく、足立入谷小の例のように朝食の大切さを伝え、子どもたちに元気に過ごしてもらえるよう、学校で朝食を食べる機会を設けているケースもある。いずれにせよ、家庭外の朝食を食べる場所は、子どもにひとつの居場所をもたらすこと、大人が子どもを見る機会として有効活用できる可能性を持つのではないか。

 貧困対策であろうとなかろうと、学校であろうと子ども食堂であろうと、子どもに居場所を作り、地域の大人が子どもを見る機会は重要だろう。家庭環境に困難を抱える子を福祉につなげることもできるかもしれない。子どもたちの健全な成長を地域で支える取り組みが広がることはこの少子化社会において希望だ。

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