演技力を酷評されてきた東出昌大が、三島由紀夫作品の難役で開花!!

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深読みしたくなる笑み

 舞台上でひときわ目を引く長身のスタイルの良さと滑舌のはっきりしたさわやかな声は、清顕のおぼっちゃま育ちぶりがよく感じられました。父親の松枝侯爵から芸者遊びをそそのかされて、不快感を隠せず断っているのに、聡子には芸者遊びをしたとわざわざ嘘の手紙を書いて、いたずらっぽい顔でニヤニヤ。聡子がお見合いを断ったと聞いて、まんざらでもなさそうにニヤニヤ。

 好きな女の子をいじめたい子どもめいた感情からのニヤニヤ笑いかと思いきや、聡子から真摯な愛を告げられたときの笑顔の不気味さや、婚約の報告を受けて笑いながら突き放しているのに、彼女が去った後そのままの顔で泣いている表情は、原作の行間以上に清顕の、純粋であるがゆえに屈折した、複雑な心理が伝わってくるようでした。

『あなたのことはそれほど』の保守的な家族観。麗華が守り、美都が手放したもの。

ドラマ『あなたのことはそれほど』(TBS)を最終話まで見て、この作品は、ヒロインの渡辺美都(波瑠)と有島麗華(仲里依紗)が、母親(と父親)の呪縛から…

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演技力を酷評されてきた東出昌大が、三島由紀夫作品の難役で開花!!の画像2 ウェジー 2017.06.23

 原作の4部に共通して登場する唯一の人物である本多は、それぞれの年代で3人の俳優が演じています。清顕とともに過ごした学生時代の本多は、アングラ演劇界の重鎮である唐十郎の息子の大鶴佐助、『奔馬』の飯沼勲と『暁の寺』のジン・ジャンと出会う弁護士になった本多を、元東京バレエ団のプリンシパル(主役)首藤康之、『天人五衰』での老年の本多は、笈田(おいだ)ヨシが務めています。

 首藤を重用したフランスの振付家モーリス・ベジャールは、三島をモチーフにしたバレエ作品「M」を創作。「M」には『仮面の告白』『金閣寺』のほか『豊饒の海』も含まれており、三島にとって大きなモチーフである聖セバスチャン役を首藤に踊らせています。

 笈田は、三島が指導していたころの文学座に在籍経験があり本人とも親しく、三島が脚本・演出した舞台「サロメ」に出演。またドイツで、三島の戯曲「サド侯爵品」「班女」を自身で演出してもいます。

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