日本における「嫌韓」ムードが強まっても、日本企業は韓国人を積極的に採用したい

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 韓国では2017年5月に就任した文在寅大統領の指揮のもと、低所得者向けの対策として最低賃金の引き上げを敢行。段階的に最低賃金を引き上げ、前年の引き上げ幅は16.4%。現在の最低賃金の時給は8350ウォン(約835円)で、2020年で1万ウォン(約1千円)を目指していた。

 しかし急な賃上げに悲鳴を上げる中小企業は多く、低スキルの若手従業員の人員整理を開始。雇用自体も減少しており、韓国雇用情報院が集計した今年3月時の求人倍率は0.60倍となった。

 さらに韓国国内の経済情勢の悪化も相まって、韓国統計庁が9月に発表した8月の雇用動向によれば、若年層(15~29歳)の失業率は10.0%で、前年同期に比べて0.6ポイント上昇。若年層の失業者は昨年よりも2万5000人増の43万5000人に上り、“超就職氷河期”を迎えている。

 また、朝鮮日報は「今雇用の現場では20年前のアジア通貨危機、あるいは10年前のリーマン・ショックと同じレベルの大量失業に対する危機感が高まっている」と報じており、韓国国内には相当な不安感が萬栄していることが伺える。雇用状況の悪化と国への不信感が、日本企業へ目を向けるきっかけになっているのかもしれない。

人手不足のため協力する心が必要

 深刻な人手不足にある日本と、求人難の不況に陥っている韓国との利害関係は合致している。東京商工リサーチの調査によると、2018年1~10月の人手不足関連倒産は前年同期比20.4%増の324件に上った。2013年の調査開始以降、最悪のペースで上昇しており、企業からすれば採用の選択肢を国外まで広げる必要がある。日本経済の未来を考えれば、グローバルな雇用は合理的な選択と言えよう。

 一方で、冒頭紹介したように、いわゆる「ネトウヨ」にとどまらない嫌韓ムードが、今この国をぼんやり覆っていることは事実だ。ただ、歴史にこだわらず人と人として尊重しあおうという人々も、若い世代を中心に日韓双方で増えてはいる。

 そもそも、韓国人に限らず外国人と接する際、その国の先入観に縛られずに、その“個人”と向き合う必要がある。韓国側にも反日感情の高まりがあるとしても、だからといって韓国人全員を敵視することは違う。

 ホワイトカラーの雇用のみならず、“単純労働”の分野における外国人労働者の雇用拡大が今まさに議論されており、そこには複数のクリアすべき課題があるが、我々が念頭に置くべきは、どんな文化や宗教が背景ある人でも、個人として接する心構えを持つことではないだろうか。

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