外国人技能実習生に降りかかるセクハラ・パワハラ「工具で頭を殴られた」「仕事中に性器を見せつけられた」

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 たとえば、中国からやって来た史健華さんは、静岡県の製紙工場で働いたが、朝8時から深夜12時まで働き詰めのうえ、月給は手取りでわずか16万円しかもらえなかった。18時以降の残業代は時給300円。静岡県の最低賃金を下回る額だった。

 こういった過重労働や低賃金のみならず、「差別」を背景にしたいじめにもさらされた。しかし、言葉が通じずに窮状を伝えられない苦しみを抱えた彼女は飛び降り自殺を図るところまで追い詰められてしまう。一命は取り留めたものの、腰など3カ所を骨折する大けがを負ってしまった。

 また、ベトナム人のグエンさんは、福島県の建設作業員として働きながら専門技術を身につけるはずだったのに、実際に来日して働くことになったのは除染作業の現場だった。しかも、日給は5600円。これは、日本人作業員の平均日給の3分の1の額だ。記事のなかでグエンさんは「除染作業とわかっていたら日本に来ていません。専門技術を学ばせてください」と、怒りを吐露している。

 さらに、外国人技能実習制度で問題視されているのは、低賃金や過重労働の問題だけではない。パワハラ・セクハラの問題も指摘されている。

職場での暴力で鬱病になった人も…

 2017年11月17日付「産経ニュース」では、東京都内の建設会社で配管工として働いてカンボジアの男性が、言葉の壁でコミュニケーションに困っていたところ、上司から「アホ」「死ね」といった罵倒とともに、工具で頭部を叩かれたとの証言をしている。

 男性はその後、仕事中の事故で左手人さし指の先端を切断する大けがを負うが、その際に職場から言われたのはねぎらいの言葉ではなく、「金欲しさにわざと切っただろう」との、情けもなにもない言葉だったという。慣れない日本の土地でそのような差別的な扱いを受けた男性は精神的に不調をきたし、病院で鬱病と診断されたという。

 人を人とも思わない。紛れもない人権侵害だ。

セクハラが裁判にまで発展したケースも

 技能実習生の中国人女性が、賃金未払いとセクハラで雇用先である農家および管理団体を訴える裁判も起きている。11月9日にこの裁判の判決がくだり、水戸地裁は未払い分など約199万円を支払うよう農家に命じた。

 しかし、セクハラについては棄却。原告側は敗訴部分を不服として控訴する方針を固めているという。

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