徹底した悪役を突き進む個性派俳優たち
京極弁護士事務所の個性的なメンバーたちはもちろんだが、翔子と敵対する「Fellix&temma法律事務所」の面々もとても魅力的だ。「実はいい人かも」という気配を微塵も感じさせることのない、明確な悪役が勢揃いなのである。
このまま悪役街道を突っ走るか、と思うくらい悪役が板につきだした向井理が、エース弁護士で翔子の元カレ・海崎を演じる。小日向文世が冷徹無比な代表弁護士の天馬を、今や「悪女」の代名詞と謳われる菜々緒がアソシエイト弁護士かつ海崎の今カノ(?)の白鳥を演じる。気持ち良いぐらいの悪役っぷりが面白い。悪役が魅力的だとドラマが大いに盛り上がるので、このまま徹底した悪役を突き進んでほしい。どうか途中で改心したりしませんように。
期待度の高い『リーガルV』だが、個人的に少し気になる部分がある。海崎の女性の趣味だ。元カノが翔子で、今カノが白鳥という「強すぎる女」チョイス。彼は鋼のメンタルで恐ろしいほどの美脚の女性がお好みなのだろうか。少々偏った嗜好な気もするが、エリートは恋人に癒しではなく強靭さを求めるのかもしれない。強い女・翔子VS白鳥の対決も見物だ。
ドラマの放送前は、『リーガルV』という題名から、どうせ『ドクターX』の弁護士版だろうと予想していたが、フタを開けてみたら想像以上に興奮させられるドラマだった。道を違えた依頼人をうやむやにせず、新たな道へ向かえるように手助けする結末も粋だし、馴れ合わないが、確実に結束を強めている京極事務所のチームワークも見ていてワクワクする。何より米倉の魅力が炸裂していて素晴らしい。怒ったり笑ったり、くるくると表情が変わる翔子を楽しんで演じているのがわかる。『ドクターX』の時よりも生き生きして見えるのは気のせいではないだろう。
新境地とまではいかないが、米倉の新しい魅力を発見できる作品になるのではないだろうか。ドラマも中盤、第六話からどのように物語が展開していくのか、とても楽しみだ。
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