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移民政策が、経済的・社会的・人道的にかなりヤバい理由 

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Thinkstock/Photo by shironosov

 11月2日、安倍内閣が入国管理法改正法案を閣議決定した。外国人労働者の受け入れを拡大するために、これまで認めてこなかった単純労働者の受け入れも認めようということである。

 すでに欧米で移民問題が深刻化している中で、なぜあえて移民受け入れを拡大するのか、と反対の声が上がる一方で、深刻な人手不足を放置できない、という賛成の声も上がっている。

 移民問題には人道的な面や治安上の理由など、さまざまな面での議論を成熟させる必要があるため、なかなかまとまらない。

自民党以外の世界では「移民」と呼ぶ

 安倍首相は、この移民政策について「労働力の受け入れであって、移民政策ではない」と主張しているが、これはかなり無理がある。「移民ではなく労働力だ」と言ったところで、社会的な影響になんら変わりはない。

 ちなみに国連の定義では、移民とは「出生あるいは市民権のある国の外に12カ月以上いる人」であり、OECDの定義では「国内に1年以上滞在する外国人」とされている。つまり国際的な常識としては、立派な「移民」となる。

 念のため、国際移住機関(IOM)の定義を要約すると以下の通り。

「国境を越える人またはグループの動き。それは人々のあらゆる種類の動きを包含する人口移動である。これには、難民、避難民、経済移住者、家族の再統一を含む他の目的のために移動する人の移住が含まれる」(『Key Migration Terms | International Organization for Migration』より)

 いずれにしても、政府が言うところの「外国人労働者」は国際常識的には「移民」なのだ。

 ところが、自民党はまったく独自の定義をしている。2016年5月4日に同党の労働力確保に関する特命委員会が発表した「『共生の時代』に向けた外国人労働者受入れの基本的考え方」における「移民」の定義は、国際的な常識とかなりずれている。

 “「移民」とは、入国の時点でいわゆる永住権を有する者であり、就労目的の在留資格による受入れは「移民」には当たらない。”というのが、自民党・政府の定義だ。

 本稿では、国際的な常識に基づいて、政府の言う「外国人労働者」を「移民」と呼ぶことにする。

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