年収1000万円でもマンションが買えなくなる? 首都圏マンションはもはや異常事態

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年収1000万円でもマンションを買えなくなる?

 日銀が量的緩和策を実施して以来、日本の金利は低下の一途を辿っており、マイナス金利政策の導入で金利はほぼゼロ水準まで低下した。

 一部のリッチな人はキャッシュでマンションを購入するかもしれないが、マンション購入者の大半は住宅ローンを利用している。住宅ローンの返済には利子が含まれるので、実際に消費者が負担する金額はマンションの購入代金プラス利子となり、低金利が続けばその分だけ消費者の負担は減ることになる。

 2010年に30年の固定金利で4716万円のマンションを買った時の返済総額(元本+利子)は約7200万円、現時点で5962万円のマンションを買った時の返済総額は7700万円と計算できる。マンション価格が1200万円も上がっているのに、返済総額が500万円しか増えていないのは超低金利の影響である。

 日本では低金利が長く続いているせいか、この環境が当たり前だと思っている人が多いが、これほどの低金利は「異常事態」であることを理解しておく必要がある。

 日銀の量的緩和策はそろそろ限界に近づきつつあり、債権市場では長期金利がジワジワと上昇を開始している。もし金利が以前の水準まで戻ってしまえば、消費者の負担は一気に増大する。

 先ほど首都圏の新築マンションの平均価格は5962万円と述べたが、金利が2010年の水準まで戻った場合、返済総額は何と9200万円にもなる。わずか8年前の水準に金利が戻っただけで、ここまで支出総額は跳ね上がってしまうのだ。ここまで金額が大きくなると、世帯収入が1000万円でも、首都圏で新築マンションを購入することは、もはや非現実的な領域に入ってくる。

オリンピック後も首都圏の不動産は暴落しない

 一方で郊外の一戸建てや駅から遠い物件など、利便性が低い物件の価格は暴落している。つまり近年の不動産市場では、都心部など利便性が高いエリアの物件価格は高騰が続き、利便性が低いエリアの価格は下落するという二極分化が鮮明になっていることがわかる。

 こうした動きの背景にあるのは、総人口の減少とそれに伴う都市部への人口流入である。

 人口減少といっても、すべてのエリアで一律に人口が減るわけではない。人口が減るとコミュニティを維持できない地域が出てくるので、過疎地域に住む人は都市部に移動することになる。人口減少社会においては、過疎地域での人口減少と都市部への集中化が同時進行するのだ。

 専門家の一部はオリンピック特需が終了する2020年以降には不動産価格が暴落すると予想している。だが、首都圏マンションの価格高騰が人口動態の変化によるものだとすれば、このトレンドは長期にわたって継続することになる。もしそうなら、オリンピック後もマンション価格はそれほど下がらないかもしれない。

 今後も価格が維持されると仮定した場合、首都圏でマンション購入を検討している人は、非常に悩ましい状況に置かれることになる。最大の懸念材料はやはり金利動向だろう。

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