ZOZO社長はパートの給与を引き上げるべきか――「富裕層への課税」「貧困層への福祉」平行線の議論

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富裕層への課税案と強い反発

 そして11月18日、前澤氏の提案に便乗する形で、『カンニング竹山の土曜The NIGHT』が田端氏と藤田氏をゲストに招き、公開討論が実現。田端氏、藤田氏のみならず、パーソナリティを務めるカンニング竹山も今回のテーマについて自らの考えをぶつけた。

 主なテーマは以下4つだった。

1)富裕層にはもっと課税するべきなのか?
2)最低賃金を上げるべきなのか?
3)ZOZO前澤社長の月旅行について
4)貧富の差は広がっているのか?

 討論冒頭、まず藤田氏は「今の富裕層の税金・保険料負担は非常に軽い」と主張する。

藤田氏「日本の高齢化率は27.3%と世界トップにもかかわらず、社会保障が極めて足りず、介護、年金など、困っている人たちへの支給が足りない。かなり厳しい生活をしている人たちがいる中で、基本的に社会は助け合いの仕組みだから、(お金を)持っている人たちがある程度負担していかないと社会が回らない。持っている人たちが払うことが基本的に必要で、(法律で)金額を一応提示してくれてはいるが、昔は今の時代より税率が高かった。金融資産取引への税率は、他の国と比べると課税される金額が少ない。社会保障の財源はないし、高齢者は多いし、こういった人たちが税金を払うのは当たり前」

 すると田端氏は、“鉄の女”と呼ばれたかつてのイギリスの首相・マーガレット・サッチャーの「お金持ちを貧乏人に引きずりおろしたところで、貧乏人がお金持ちになれるわけじゃありません」という言葉を挙げ、藤田氏の主張は「富裕層が持っているものを奪えばいい」という暴論ではないかと反論。課税するならば「ちゃんと国会で議決を経て、多数派の同意を得て」すべきと主張した。

 ここで“富裕層の定義”について議論が及び、田端氏はこう言う。

田端氏「僕は相続(への課税)すればいいと思っている。それは相続には自分の努力とは関係ないから。でも前澤さんとかソフトバンクの孫さんみたいに、一代で自分の努力で作った人から奪えばいいというのは、おかしくないですか? 俺はお金持ちのバカ息子、バカ娘からはどんどん巻き上げたらいいと思う。だって本人の努力じゃないんだもの。だけど、孫さんや前澤さんみたいに一代で自分の力で築いた人の資産をなぜ奪う必要があるんですか? 脱税しているわけじゃない。税金は議会で決まるんだから、民主的な決定に基づいて今の税法だって決まっているわけだから、それは今の日本国の大多数の人がそれをOKしているわけだから」

 これに藤田氏は、政治家への献金は富裕層にしかできず、「ひとり一票」は建前であると反論。また藤田氏は「一世代で努力をしたから稼いでるんだっていうのは、『努力』は誰がしたのかを議論すべき」と言う。

藤田氏「努力したのは(社長らに)稼がせてあげた労働者の人たちであり、基本的に会社は労働者が稼いで頑張って努力して、それを株主や役員に配当するわけだから。今の社会は労働者に還元されていない」

田端氏「前澤さんの貢献はゼロなのか? 役員報酬を適正だと決めるのは社員ではなく株主。社員の声が弱いというのであれば、それは社員の不満がないから」

 すると藤田氏は、ZOZOの非正規労働者たちからの「時給が安い」「儲かっているとは思えない賃金の水準」という声を紹介し、ZOZOに限らず「上場企業の正規と非正規の待遇差がすごい」、「儲かっているなら賃金を出そうよ」と訴える。

 これについても田端氏は、経営者側の理屈で反論した。

田端氏「労働基準法で業績不振を理由とした賃下げは禁じられており、赤字だから時給や給料を下げることは無理。経営者の立場とすれば、黒字だとある程度は(賃金を)上げられるが、景気変動で赤字になっても下げることはできない。ZOZOは5年前に比べて正社員の平均年収が24%上がっている」

藤田氏「正社員だけ? 派遣は? 非正規の時給を上げよう」

田端氏「非正規の方だって、今、都心の牛丼屋さんの時給は1400~1500円するわけだから、時給上げたいんだったらそっちいけばいいだけじゃない。給料上げたいんだったら他に選択肢がある」

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