一度ついた“ヤラセ”のイメージはなかなか消えない
ただ、『イッテQ』の騒動で顕著だったのは、視聴者のなかには「やらせでも面白ければいい」という意見も少なくなかったことだ。
「バラエティなんだから面白ければいいじゃん」「文春は何がしたいのかわからない」「これでイッテQがなくなったら文春許さない」など、番組を擁護し、ヤラセを徹底的に追及した「週刊文春」を責める声も多かった。
しかし、『発掘あるある大辞典』や『ほこ×たて』など、過去に複数の番組がヤラセや捏造で打ち切りとなった経緯を持つフジテレビは、当時大きく炎上。“ヤラセのテレビ局”というイメージが現在も根強く残っているのか、フジテレビの情報番組が『イッテQ』のヤラセ疑惑を大々的に取り扱うと、「フジテレビが批判する資格はない」といった意見も出ていた。フジテレビは長きにわたり視聴率面で低迷が続いてきたが、ここにも複数のヤラセ騒動が一切影響していないとは言えないだろう。
秋の改編以降、日テレの牙城だった日曜夜枠を、テレビ朝日とTBSが猛追している。『イッテQ』の昨年の年間平均視聴率は19%を超えたが、秋以降は15~16%前後を推移。それでも高いことには変わりないものの、『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)が15%まで追い上げ中で、『消えた天才 ~超一流が勝てなかった人 大追跡~』(TBS系)も二桁にのせている。
『鉄腕DASH』も『イッテQ』も、多くの視聴者に愛されている番組だ。だからこそ誠実な番組づくりで、これまでのファンを離さないよういっそうの研鑽が求められる時期となっているだろう。
1 2