「母親の学歴が子供の学力を左右する説」は、結局「格差社会」を生む

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 なんだ、それなら今さらわざわざ指摘することではないのでは? と、拍子抜けするような結論だ。子どもが塾に行くにも家庭教師をつけるにも金が要る。中高一貫校の多くは私立で学費がかかり、そもそも入学するには受験に合格せねばならず、受験に備えた塾や模試の費用もかかる。特に中学受験は、塾や受験校選び、塾や模試の送り迎えや弁当の用意、スケジュール調整など親の献身が必須だと言われており、それが実行可能なのは金にも時間にも余裕のある家庭ということになるだろう。父親が高収入(=金の余裕)で母親が専業主婦(=時間の余裕)の家庭は、子どもの教育に熱を入れることが比較的可能だというだけのこと。アメリカでの研究だという遺伝子云々に関しては、あくまでひとつの仮説に過ぎない。

 林先生が今回取り上げた文部科学省の調査報告というのは、毎年4月に小学6年と中学3年の全員を対象に実施されている「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)と、それに付随する保護者アンケートだ。今年8月に、「マネー現代」が“文科省の衝撃レポート”と銘打ち、紹介していたものと同じだろう。

 多くの保護者が、子どもに幸せな未来を送ってもらいたいと願っているはずだ。そのための教育投資もして、子どもの学力を向上させ、より多くの選択肢を持てるよう、大半の保護者は多かれ少なかれ心を砕いている。日本も貧困層と中流階級との格差が開き、明らかな格差社会となっている中で、「親の学歴が大事」「高収入男性と専業主婦の組み合わせが最も子の学力向上に良い」等ときては、身もフタもない話だ。

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